KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

イルーニュの巨人 (創元推理文庫 541-1)

イルーニュの巨人 (創元推理文庫 541-1)

イルーニュの巨人 (創元推理文庫 541-1)

作家
C.A.スミス
井辻朱美
出版社
東京創元社
発売日
1986-07-01
ISBN
9784488541019
amazonで購入する

イルーニュの巨人 (創元推理文庫 541-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

Ribes triste

読んでニンマリ。面白い。古式ゆかしきヨーロッパの怪異譚か、ゴシックホラーと思って読み進むと、太古のおぞましい化物や異界の者たち、宇宙からの侵入者などSF要素も入ってくる。しかしながらも美しく幻想的な世界。井辻朱美さん訳なのも嬉しい。

2020/03/06

アカツキ

グロテスクだけど艶やかさのある幻想短編集。18作品収録。読んだことある作品もあったような気がするけれど、ハイパーボレアやアヴェロワーニュの話が読めて嬉しい。無残な最期や自らバッドエンドに飛び込む話も多い中で珍しくハッピーエンドで終わる、借金で首が回らなくなって愛する絵を売ることになった男の「柳のある風景」が特に良かった。「シレールの女魔法使い」も結構好き。一瞬で男を魅了して、真の姿を見ることを拒絶させる美貌ってどんなだろう。同じ邪悪な女魔術師でも「ヒキガエルおばさん」との格差よ。やっぱり美は力なのね。

2020/02/25

topo

架空の世界とは思えぬ迫力。グロテスクな幻妖、底知れぬ恐怖、鼻腔をつく不穏な臭い、目が眩むほど艶やかな色彩に感覚が研ぎ澄まされ、読後は言い知れぬ余韻に浸る。ゴシック、神話調の幻想溢れる物語から漂う濃密な雰囲気に酔いしれる18編。 特にお気に入り→結末に驚きを隠せない『聖人アゼダラク』、『アヴェロワーニュの獣』、『死の顕現』、凍てつく氷の不思議な世界に魅せられる『氷の魔物』、耽美と恐怖に酔う『シレールの女魔法使い』、甘美で幻想的な『柳のある風景』、迫力満点『イルーニュの巨人』、SF映画のような『見えない街』

2021/01/23

HANA

ゾティーク幻妖怪異譚に比べると陰鬱さが薄いように思える。代わりにハイパーボリア、ゾティーク等様々なシリーズが味わえ、その点ではありがたい。特にアヴェロワーニュものは初めて触れることが出来た。しかし「アタマウスの遺言」アンソロジーピースとしては必須であるな。

2010/08/11

門前照二

ちょっと首をかしげたくなる凡作もありますが、「これぞ怪奇・幻想文学!」と感じさせる傑作もあり、全体として満足のいく1冊でした。バラエティの豊かさゆえに、18篇全てを気に入る読者はかえって少ないかもしれません。ラヴクラフトやハワードと比べて、同じ血みどろを書かせても生臭さを直接読者にかがせたりしない、優れた筆致だと思います。

2010/11/26

感想・レビューをもっと見る