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空に浮かぶ子供 (創元推理文庫 547-4)

空に浮かぶ子供 (創元推理文庫 547-4)

空に浮かぶ子供 (創元推理文庫 547-4)

作家
ジョナサン・キャロル
浅羽莢子
出版社
東京創元社
発売日
1991-03-01
ISBN
9784488547042
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空に浮かぶ子供 (創元推理文庫 547-4) / 感想・レビュー

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hit4papa

ダークファンタジー<<月の骨>>シリーズ第三弾です。ライフル自殺を遂げた映画監督。どうやら新作映画で”知ってはいけない人間と宇宙の隅っこ”に触れてしまったらしい。彼のビデオレターを受け取った親友は、意志を継ぎ取り直しを決意する、というお話しです。8歳の死の天使が自死した監督のイマジナリーフレンドで、なおかつ彼の恋人を身ごもっている等、謎は謎(というか不条理)として興味をそそられます。が、その解は観念的過ぎて小難しさが際立ってしまいました。本作品はシリーズの中間地点。残り3作の展開に期待しましょう。

2019/12/10

眠る山猫屋

再読、シリーズ三作目。主人公は引退した映画監督ウェーバー。自殺した親友フィルから贈られたビデオには、幼い頃に飛行機事故で死んだ母の最期の七分間が映っていた・・・。謎の天使(らしき少女)が現れる。継続するフィルからのビデオレター、フィルの残した未完のホラー映画を完成させないと大変な事が起こるらしい。だが、どんな作品にすれば!?透かしてるクセにナイーブなウェーバーが魅力的。カレン一家も安定の存在感。親友の為に奔走するウェーバーを待ち受ける結末に、やっぱりキャロルの罠に嵌まってしまった。凄いわ。

2018/06/14

冬見

人気シリーズのホラー映画完成間近にライフル自殺をした親友。彼が残したビデオテープには幼い頃に飛行機事故で亡くした母親の死の瞬間が収められており……。◆『月の骨』『炎の眠り』続編。誰も悪魔に魂を売ろうなんて考えていない。気づいたら悪魔に魂を売っていたのだ。親友の死の真相を追うべく、そして親友の死を阻止すべく、親友の残した映画の完成を目指す主人公だが、次第に当初の目的は忘れてゆきただただ「最高の芸術」を作ることに没入してゆく。その過程で彼は踏み越えた。そうして読者ははかの親友が辿った道筋を知るのである。

2021/07/27

星落秋風五丈原

『空に浮かぶ子供』は多くのパンチを放つが、そのほとんどは目標からそれている。過去の作品を読んで、ストレイホーンやグレグストンを知っている読者ならば、彼らについての物語に新たなエピソードを加え、複雑化するものとして、この作品を楽しむことができるだろう。しかし、グレグストン達とキャロル作品全般になじみのない読者は、この問われざる問いと語られざる可能性の新領域の中で、困惑し、頼りない気分になってしまうだろう。

2011/02/08

雪守

「月の骨」、「炎の眠り」で登場していた映画監督ウェーバーが今回の主人公。死んだ映画監督仲間で親友の残したビデオメッセージを見たことで幻想世界に足を踏み入れていきます。その境目の描き方も見事ですが、登場人物たちの会話が楽しいです。そしてタイトルの意味がわかり全てが明らかになるラスト、寝ぼけて読んでいた為すぐには意味がわからなかったのでしたが、理解できた瞬間には眠さが吹き飛びました。伏線の張り方が素晴らしい作品でした。これだから読書はやめられません。

2011/06/25

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