蜂の巣にキス (創元推理文庫)
蜂の巣にキス (創元推理文庫) / 感想・レビュー
雪紫
ミザリー?ツイン・ピークス?スリーピング・マーダー?いいえ、ジョナサン・キャロルです。まさかのファンタジー抜きの純粋ミステリ。まさかのマリオやFF3まで登場(3に甘ったるい音楽あったっけ?)。丁寧さに愛読者ヴェロニカが次第に暴走していくところやサムに忍び寄る狂気や不条理はハラハラするが事件より、人の心理や暴走の方がよりミステリ(丸美さんの館三部作こないだ再読したからか?)。ファンタジー要素抜きだし、難解な部分はないに等しいがそれでも決着と突き落としはこの作家らしいというか・・・確実に表紙は狙ってる。
2022/03/20
眠る山猫屋
久々のジョナサン・C。まぁびっくりミステリでしたわ。 死んだ女を追ううちに、恋に落ちるような闇に堕ちるような展開は、まるでチャンドラーのようだが、何かわからない存在に後をつけられているような不安感は流石ジョナサン・キャロル。身近な人々が犯人に思えてくる揺さぶりには、惑わされた。 そして行いの全てが清算されるようなラスト。ポーリンやヴェロニカみたいな女には惚れちゃいけないんだろうなぁ… 解説の豊崎さんが仰有るように、ジョナサン・キャロルの小説をもっと読みたくなっちゃいました。
2013/04/13
星落秋風五丈原
いつも飛び回っていて、その気になればいやというほど刺せる―“蜂の巣”。それが彼女の綽名。30年前に殺され、ぼくが死体を発見した美少女だ。彼女の事件を書くという試みに、作家であるぼくはスランプ脱出の望みをかけた。だが…真相を探るにつれ、絡みあい、もつれあう過去と現在、親と子、男と女。そしてぼくを脅し指図する謎の影。鬼才の傑作。
2011/02/06
不在証明
表紙が涼しい感じで良いね、と思ってたら水死体でした。この女性。主人公が初めて見た女の人の裸。見惚れるという状況下においては、生命の有無など些細なことなのだろうか。一部を除いてもれなく絶版。キャロルは売れないらしい。まだ二作しか読んでないけど、妙に感心してしまう言葉とかちょっとした言い回しとか面白いのに。
2015/06/25
訪問者
奇才ジョナサン・キャロルによるクレインズ・ヴュー三部作の一作目。これまでのダーク・ファンタジーとは違って、これはミステリー。とは言ってもそこはキャロル作品であり、一般のミステリーとはたいへん違う味わいの作品となっている。
2018/12/26
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