平成怪奇小説傑作集2 (創元推理文庫)
平成怪奇小説傑作集2 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
シリーズ2冊目で平成10年から19年までに書かれた作品の中から東さんが選んだアンソロジーです。18の作品が収められていますが、そのうち3作は手のひら怪談ということで2ページものです。がピリッとした感じです。総じて私には前の1の方が印象に残った作品が多かったように感じました。私がいいと感じたのは既読でしたが、小川洋子、鈴木光司、恩田陸、浅田次郎、森見登美彦らの作品です。好き嫌いが結構あるアンソロジーでした。
2019/10/10
藤月はな(灯れ松明の火)
やっと2巻を発見することができました。「匂いの収集」は既読。静かでいて官能的な描写に耽溺していたらグロテスクな想像を促す部分に恍惚じみた恐怖を味わう。「一文物語集」は一文だけで喚起される底知れない状況が素晴らしい。私は248が怖かった。『一文物語集』の他の物語も読みたくなりました。「空に浮かぶ棺」は既読。しかし、今までリングシリーズを原作も映画も知らないままでこの短編だけは読んでいるのが複雑。「グノーシス心中」は個人的に合いませんでした・・・。「水牛群」は既読。社会に出た今ではパワハラ描写に吐きそうになる
2020/08/12
HANA
二巻は十年から十九年までに発表されたものを収録。思い返せばリングの衝撃も恐怖の大王が来るはずだったのも、この時期になるんだなあ。既読の作品も多いのだが、やはりどれも各筆者の特色が良く出た作品ばかり。小川洋子や森見登美彦の怪奇小説は初めて読むが、前者は著者らしい透明な空気感が最後にひっくり返されるし、後者は今までの阿呆大学生とはうって変わって深々と迫る感じが実に良い。アンソロジーピースとなっている「鳥とファフロッキーズ現象について」や『深泥丘奇譚』もこの時期だし、ある種の懐かしさを覚える作品が多いなあ。
2021/01/17
sin
先の昭和臭の強い作品群に比べて、ここには平成が根付いている。振り返れば昭和のど真ん中に生を受けた自身の道程も平成と云う時代に大きく支配されていることは否めず、改めて平成と云う時代の存在を身近に感じさせられた。若い頃に喧伝されたノストラダムスの予言による終末の年、また新たにはコンピューターの2000年問題が幸運にも不発であったが、翌年には9.11テロの衝撃的映像が茶の間に流れる。この期間、リングに始まるジャパニーズホラーの時代であり多くの作品が映像化された。世紀末にホラーが流行るを地で行く時代であった。
2019/12/27
cinos
どれも面白いのですが、「一文物語集」は初めて見たので、衝撃でした。こんなことできるんですね。朱川さんのも光原さんのも綾辻さんのも山白さんのも既読でしたが、ほとんど覚えてなくて新鮮に読めました。「匂いの収集」が一番怖かったです。
2020/02/22
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