KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

怪物はささやく (創元推理文庫)

怪物はささやく (創元推理文庫)

怪物はささやく (創元推理文庫)

作家
パトリック・ネス
ジム・ケイ
シヴォーン・ダウド原案
池田真紀子
出版社
東京創元社
発売日
2017-05-28
ISBN
9784488593070
amazonで購入する

怪物はささやく (創元推理文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

masa

僕らは皆、善悪の間で揺れている。これは人を救うための嘘だと、誰よりそれを欲している自分に嘘をつくこともある。巨悪を滅ぼす代償に、この命を捧げられるだろうか?僕の中に棲む怪物と対峙できるだろうか?ごまかしのような真実から、言葉を救い出せるだろうか?入口しかない井戸みたいな世界に疲弊する。例えば君からの返事すら失った僕は今日、世界から不在だ。僕らは都合のいいものしか見ない。身勝手に苦痛からの解放を望む。だけど、誰かの不幸なんて望んでないんだ。信じてよ。Can I say this story is love?

2018/08/22

Rin

心の複雑さ。物語の真実と怪物の目的。何よりもコナーが語ることになる真実の物語。それらが明らかになると苦しさが増す。語られる三つの物語とコナーの現実がもどかしくて。コナーの態度にはイライラさせられることもあるけど彼の年齢を考えると、その矛盾も受け止めることができる。先生の言う罰を与える意味や悪夢の本当の姿に。コナーの抱える重たい問題と勇気、母の強さ祖母の愛。全部に胸が熱くなる。真実を語ることの意味。想像することと、行動に移すことの大きな違い。怪物が教えてくれることは苦しくても大切なことをばかりでした。

2017/08/26

あたびー

両親の離婚、母の病、気の合わない祖母。それに加えて学校でのイジメ、母の病のせいで腫れ物に触るような周囲。13歳のコナーの生活はまるで針のむしろ。或る夜、コナーの元をイチイの樹の精とも取れる巨人の怪物が訪れる。怪物は三つの物語をするから、コナーに四つ目の物語をしろと言った。哲学的とも言えるそれらの物語は、普通の物語のような結末を持っていない。お前を癒すために来たと怪物が言う意味は?ローティーンには難しい内容だと言う気もするが、大人にも同様に難しかった。

2022/10/23

さっとる◎

どうして?どうして。どうして。この世界では理不尽で悲しいことが襲ってくるから、私たちはいつだって闘わなくてはならない。どうして?日頃の行いも人柄も関係なく襲ってくるそれには、怒ってもいい。でも、誰も助けてくれない。本当にキツいのは現実に起こっていることなんかじゃなくて、向き合う中で育ついくつもの真実が、自分の信じたくない自分を見せつけてくること。ねぇ、こんなこと、私思いたくないんだよ。だから、自分に嘘をつく。騙しきれないと知っていても。抱えきれないから苦しい。助けて。次はひとりで泣く前に、この本を開こう。

2020/08/30

あまみや

一気に読めた。こういう矛盾があってこその人間で、それがまた人間が面白い理由なのかも。映画も見ます。

2024/06/16

感想・レビューをもっと見る