500年のトンネル 下 創元推理文庫 F フ 7-2
500年のトンネル 下 創元推理文庫 F フ 7-2 / 感想・レビュー
のっち♬
武装して乗り込んだ結果スターカームの捕虜になった上司たちと未来に帰還したいアンドリア。腑抜けた統率、担がれやすいウィンザー、先が完全に見え透いた前振りにも関わらず、ホラーテイストの手法を取ることで緊迫感を上げている。余裕が生まれると自分を悪者にしない方弁を考えるアンドリア、本書の煮え切らなさはこの優柔不断と未来人の極端な無能にあると思う。新たな人生とアイデンティティを獲得したジョーだけが幸せそう。歴史上至る所で行われてきた異文化間抗争を綺麗事に描くまいとするスタンスは良いが、設定を消化しきれていない印象。
2022/07/30
topo
トンネルを抜けると雪国ではなく500年前の世界。勇猛な氏族に資源を狙う現代企業の魔の手が。現代人を『エルフ』と信じ込ませる設定が面白い。氏族長の息子と企業の狭間で苦しむ通訳の女性。時空を越えた戦と恋に頁を捲る手が止まらない。クラン(氏族)の固い結束描写も読み応えあり。「スターカーム!」と鬨の声を上げる場面は鳥肌が。 クランといえば、モンゴメリ『可愛いエミリー』シリーズ。なんとなくしか掴めていなかったクランの結束、名誉。この作品を読み想像以上のものだと理解。時とジャンルを越え繋がる物語たちが愛しい✨
2020/07/19
綾乃
16世紀イングランド(スコットランド?)と21世紀のタイムトラベルもの。 たしかに実際の16世紀のクランの暮らしはそんなカンジなのかもしれないし、21世紀の女性が突然その時代に行って向こうの美少年と恋におちたらこんな風に優柔不断なのだと思うのですが、なんだかなー。 小説だからもうちょっと夢がみたかったのです。
2018/10/17
しき
面白かったことは面白かったけど……。これって、児童書っていうかヤングアダルト物なの?それにしてはSF的な深みはないし、タイムファンタジーなら、過去を探っていくドキドキ感、定められた未來へ続く変えられない過去の哀しさみたいなのが全然ない。ロマンスにしても、ヒロインであるアンドリアがなんともバ(ry)もとい浅はかで考え無しなので魅力に欠ける。ピーアと二人、どうして惹かれあったのかもピンと来ない。「時の旅人」のほうがずっと共感できる。とりあえず続きは読みたいけど、図書館まちだな。
2010/03/14
がる
ガーディアン賞受賞作。(「ハリー・ポッターと秘密の部屋」「肩胛骨は翼のなごり」を押さえての受賞とのこと。) タイムトラベルものによくある、歴史が変わるとタイムパラドックスが云々・・・という苦手な部分がなかったので読みやすかったです。 ただちょっと残酷なシーンが多いなー。そのスターカームのモデルとなった実在の一族がいたというのはちょっとびっくり。 アンドリアの優柔不断ぶりもわかるような、わからないような。 他の方の感想を見ると酷評が多いような気がしますが、それもわかるような、わからないような(^_^;)
2011/05/04
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