KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

何かが道をやってくる (創元SF文庫) (創元推理文庫 612-1)

何かが道をやってくる (創元SF文庫) (創元推理文庫 612-1)

何かが道をやってくる (創元SF文庫) (創元推理文庫 612-1)

作家
レイ・ブラッドベリ
大久保康雄
出版社
東京創元社
発売日
1964-09-30
ISBN
9784488612016
amazonで購入する

何かが道をやってくる (創元SF文庫) (創元推理文庫 612-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

rico

少年たちは内にある夏の熱を持て余し、ただ走る。老いた父は遠い夏を想いつつ彼らを見送る。10月の終り、カーニバルはやって来た。刺青の男、魔女、過去と未来を見せる鏡の迷路、時を繰る回転木馬への誘惑。多くの人々が取り込まれ異形の者となっていく中、少年と父の戦いを描くブラッドベリのダークファンタジー。若い頃夢中になった。改めて読み直すと、父が主人公だということがよくわかる。魔は負の感情を餌にする。であれば、「今」を肯定し、魔を笑い飛ばせることが力になる。パパ、かっこいい!ラスト、少年たちと一緒に走る父。いいなあ。

2019/11/26

Aya Murakami

東京創元社 文庫刊行60周年フェア対象本 タイトルはマクベスがモトネタのようですね。そのせいか登場する異形の中では魔女が特に目立ったような感じです。気球で魔女が主人公の少年を探すシーンはなかなかのスリリング。 人の悪意を掻き立ててエネルギー元にするカーニバルは現実世界の週刊誌やネットの荒らしに該当するのでしょうか?

2019/08/05

がらくたどん

昨日ブラッドベリ版ハロウィーンの子どもの方『ハロウィーンがやってきた』を読んだのでせっかくなので「大人の方」も。と言っても主人公は日付が10月31日になる瞬間の前と後に生まれた少年ウィルとジム。夜半に街にやって来たサーカス団の回転木馬に誘われて悪夢のような冒険が始まる。少年達の子どもらしい友情・亀裂・そして再び手を差し伸べ合う気持ち。魔女も刺青男もしっかり登場します。図書館の管理人で父と言うより「おじいさん」みたいなウィルのパパがすごくカッコいい。老体にムチ打ちと思っていたけど、再読したら54歳だった♪

2022/10/31

Shun

”何か”とは原題によるとsomething wicked、つまり邪悪な何かがやってくるといったゴシックホラーの雰囲気です。また初版からの変わらぬ邦訳は、時代的に乱歩の怪奇小説のようなレトロ感があってこれも良い感触で没入できました。物語の導入部では、ある夜に二人の少年は大人になり永久に子供でなくなったと告げられます。そして避雷針を売りに来た謎の男、夜の町のカーニバル、そして奇怪な回転木馬等のアトラクションがその夜を恐ろしい悪夢に変える。果たして少年たちは恐怖を克服し邪悪を振り払うことができるのだろうか。

2022/03/14

ヨル

年下男子のお薦め本。ブラッドベリは「タンポポのお酒」の最初の数ページで挫折したので、たぶん私には合わないのだろうけど、貸してもらった本を途中でやめる訳にもいかず忍耐で読み通しました。結構面白かったです。男子による男子のための本、と勝手に認定。まどろっこしいような詩的な文体も父と子、男同士の友情も葛藤も男子には響くんだろうなあ。あくまで憶測でしか語れないけど、この、女を完全に排除した時間帯というのは男子には必要なのかもしれない、と思いました。

2018/12/27

感想・レビューをもっと見る