万華鏡 (ブラッドベリ自選傑作集) (創元SF文庫)
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万華鏡 (ブラッドベリ自選傑作集) (創元SF文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
ブラッドベリの自選傑作集ということでかなりの作品が収められています。私は最初にサンリオSF文庫の川本三郎さんの訳で読んだのですがこれは中村融さんの訳ですね。ブラッドベリの作品はいくつも読んでいますが、これは彼が自選したもので様々な感じのものが楽しめます。「メランコリイの妙薬」「骨」「タンポポのお酒」「刺青の男」「霧笛」「こびと」など私の好きな作品も多くあります。
2018/01/03
藤月はな(灯れ松明の火)
大人になれない一種の不死者の生きていくための諦観と希望が印象的な「歓迎と別離」に対し、非常に合理的な世界で夫に萎縮させられるイラに訪れたロマンスと悲しさを描いた「イラ」の哀切な怖さも良いです。「鉢の底の果物」はおとぎ話のような風合いですね。表題作の宇宙で離れ離れとなり、仲間との交信も次第に途切れ、死に直面しつつある人間の卑小さ、それでも誰かのためになりたいという切なる願いが叶ったラストは圧巻過ぎて息を呑むしかない。そして初めて読んだ『たんぽぽのお酒』シリーズが好みドンピシャなので全編、読もうと思います。
2017/01/25
geshi
こうして短編を並べてみると、ブラッドベリはSFという枠には収まらない作家だ。あくまで書きたいのは人が共通して持っているもの寂しさや胸の痛みであって、それを伝えるために最適な手法を毎回選んでいるように感じる。まだ体験した事がないはずなのに、遠い世界の話なのに、抒情的に感じる事が出来る。『鉢の底の果物』ミステリー風にしつつも可笑しさと狂気の狭間を的確に描いている。『すると岩が叫んだ』世界に負けを認めない夫婦の選択がとても尊く見える。『万華鏡』サイボーグ009を想起させる哀しくも美しい結び。
2017/03/20
たぬ
☆4 SF、コメディ、胸糞等々、バラエティ豊かな26のお話。突出していたのは「草原」。出てくるアイテムはひみつ道具だしオチはブラックだしでものすごくF先生感あったわ。体格がほぼ一緒の6人が1着のスーツを共有する「すばらしき白服」もインパクトがあったな。「小さな暗殺者」も不気味で好き。
2021/11/14
かわうそ
なぜかこれまでブラッドベリをあまり読んでこなかったけど、この自選短編集を読んでSFジャンルだけにおさまらない傑作・名作の目白押しに圧倒された。特にお気に入りは「国家演奏短距離走者」「夜の邂逅」「霧笛」「骨」など。
2017/02/13
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