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大宇宙の少年 (創元SF文庫)

大宇宙の少年 (創元SF文庫)

大宇宙の少年 (創元SF文庫)

作家
ロバート・A・ハインライン
矢野徹
吉川 秀実
出版社
東京創元社
発売日
2008-10-10
ISBN
9784488618148
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大宇宙の少年 (創元SF文庫) / 感想・レビュー

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MICK KICHI

コニー・ウィリスが「犬は勘定に入れません」で影響に謝辞を入れ、この作品で引用された「ボートの三人男」を「犬は...」でもリスペクトし、ハイライン随一としているほどの名作。ジュヴナイルの範疇に入る少年の冒険譚だが、細部にわたる宇宙や物理学等への叙述にそれが伺えるだけで、物語の後半一気に加速する広がりと展開に圧倒される。一方で、月面を逃亡する模写は多少間延びがして疲れるのだが...。主人公の少年、快活で知的な少女、異星人の仲間はキャラクター的にも秀逸、そして少年の父が素晴らしい。もっと早く出会いたかった作品。

2019/08/16

ntahima

幼少の頃、父が枕元で読み聞かせてくれた名も知らぬ一冊のジュヴナイルSF。いつか成人版を読みたいと思いつつも書店で目にすることはなかった。インターネットのない時代、一般読者にとって小説との出会いは一期一会。想い出の本が故・福島正美氏の抄訳「大宇宙の少年」であると知ったのは随分後になってからのことである。創元推理文庫から「スターファイター」の名で完訳版が出版されていたようだが、2008年の復刊に伴い題名が元の「大宇宙の少年」に改訂されやっと幼き日の本だと気づく。余りにも感傷的な読書であったが故、感想は控える。

2011/02/06

ゆかーん

「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」と連呼していた記憶が蘇ってきました。昔は冥王星も太陽系の天体の一つでしたが、今ではもう天体の扱いはされていないのですね…。この小説は、まだ冥王星が天体の一つとして考えられていた頃のお話。懸賞に応募して宇宙服を手にした少年キップが、突如現れた宇宙人に誘拐されてしまうストーリーです。ラストで冥王星に移動したキップが危険生命体に分類され、地球人代表として裁判に巻き込まれてしまう様子にハラハラされられました。でも、意外とあっさり解放されて地球に帰還できたことに驚きました!

2015/10/20

ざるこ

宇宙に憧れる高校生のキップが大宇宙を旅する。と言っても始まりは誘拐のようなもので連れ回されるが正解かも。月から冥王星、異種族もたくさん登場。最後は人類の命運を握る宇宙裁判にもかけられるという、話が進むにつれどんどんスケールが大きくなるのはジュブナイルとしては最高。しかし私は前半の話の方がお気に入り。1等の宇宙旅行の懸賞を逃し宇宙服を貰う。懸賞には標語が必要で、たくさん応募するために知恵を使い、貰った古い宇宙服は自分で修理する。いかにも一高校生たる生活感に溢れててよい。キップの地道な努力が素晴らしいのです。

2024/10/28

ふりや

コニー・ウィリスの『犬は勘定に入れません』経由で気になっていた作品が創元社から復刊されたので購入。月旅行を夢見る主人公のキップは、懸賞で中古の宇宙服を手に入れ、夏休みをアルバイトや宇宙服の整備をして過ごしていた。ある時、宇宙服に謎の通信が入ったことをきっかけにキップの壮大な宇宙の旅が始まります。ストーリーはとてもシンプル、クラシックで王道な古き良きSFという感じで安心して楽しめる作品でした。矢野徹さんと吉川秀実さんによる訳、登場人物のネーミングや会話のやり取りなど愛嬌のある感じでとても面白かったです。

2021/10/16

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