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ロボットの魂 (創元SF文庫 ヘ 2-4)

ロボットの魂 (創元SF文庫 ヘ 2-4)

ロボットの魂 (創元SF文庫 ヘ 2-4)

作家
バリントン・J・ベイリー
Barrington J. Bayley
大森望
出版社
東京創元社
発売日
1993-09-01
ISBN
9784488697044
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ロボットの魂 (創元SF文庫 ヘ 2-4) / 感想・レビュー

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Aya Murakami

アシモフのわれはロボットのあとがきで紹介されて手に取った本。 これって…、私たち日本人の感覚でいう付喪神とか入魂の作という存在なのでしょうか?ただイギリス人の作家さんが書いた作品だけに制作過程で人間側に重大なデメリットがあるという違いが面白い。そしてその事実がマシン側に知られた場合の惨劇まさに映画のマトリックスという感じ。

2018/06/23

内島菫

巨大ロボット→心身二元論の読書の流れにまさにふさわしいタイトルの本書。著者が『キルラキル』の元ネタの一つであるという『カエアンの聖衣』の著者でもあるということで期待が膨らんだが、心身二元論が基本ベースでありながら、いや、ベースであるからこそ、ラストで精神=魂の物質化が物語の鍵となっていて、結局あまり発見がなかった。ただ、ロボットは意識を持ち得るのかという問題を突き詰めていく中で、主人公のロボット・ジャスペロダスが抱く意識が「虚構のセルフイメージ」とされたり、感情・知覚から行動へという機能と、

2022/03/22

サイバーパンツ

ロボットのジャスペルダスが、タイトル通り自身の「魂」を求めて旅をするという、ベイリーにしてはえらく分かりやすい話。ロボットを主人公に据えておきながら、アシモフに喧嘩を売るかのように、ピカレスクロマン仕立てにしてるあたり捻くれてはいるが。お得意のワイドスクリーンバロックっぽさは薄めだが、ロボット工学三原則をぶち破ったロボットが好き勝手に暴れ回っており、ベイリーらしいハチャメチャ感は充分に楽しめる。ベイリーにしては思弁性抑え目だが、ストーリーにグイグイ読ませる面白さがあった。

2018/04/22

ニミッツクラス

93年の初版(650円)。本国刊行は74年で、「カエアンの聖衣」の前年となる。どちらも読み応えがあるが、本書は日本での刊行が遅れた。本書は主人公(ロボット)、ジャスペロダスが、無いと言われた“意識”を求めて人生?を模索する、著者にしては判り易い内容だ。一度文明の滅びた地球で、主人公は充分に人間っぽい行動(但し、人間になりたいと悩んではいない)を繰り広げる。持ち前の資質とほぼ不死性な身体と卓越した機能、それに経験と洞察を加味した割と大胆な行動で人間もロボ仲間も翻弄する。370頁を一気読みできる。★★★★☆☆

2015/09/19

あや

ベイリーは奇想天外(というか結構馬鹿)なSFの書き手という印象があったけど、本書は今までに読んだのとはちょっと違う、真っ当(?)な作品だった。ロボットSFだけど、アシモフの三原則が全く無視されているのが意外で面白い。あとがきにもあるようにピカレスク・ロマンで、哲学SFでもある。終盤で、低能なロボットがしでかした行為が印象的。傑作。

2009/10/10

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