銀河英雄伝説〈6〉飛翔篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-6)
銀河英雄伝説〈6〉飛翔篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-6) / 感想・レビュー
カピバラKS
●本シリーズ前史の地球衰退、宇宙覇権国家黄金樹王朝の退廃、そして現代での宗教テロ、新進専制国家の内訌と老民主国家の機能不全を描く。人類史は重苦しくて陰惨だ。●国家レベルの話は暗いが、個人レベルでは明るい話もある。フレデリカの花嫁修行は微笑ましい。とはいえ、市井の平穏な生活は国家の不穏な動向に踏み潰されていく。●ところでヤンは30過ぎで年金生活が可能となった。ダメな民主国家とされる自由惑星連合だが、令和日本と比べ、わりと呑気に暮らせそうである。いいなあ。
2024/07/24
ぶち
年金よ、さらば。あらあら、ほんの二カ月で働かずに食べていける年金生活が逃げていってしまいました。新妻はもちろん逃げていきませんでしたが、甘い新婚生活は軍艦の上で続きを....ということにはなりませんよね。新妻は花柄のエプロンから軍服に着替えてしまったし。それにしても、ヤンやラインハルトには、"平穏無事"とか"平時"とか、"のんびり"とかいう言葉に見放されていますよね。 さて、副題の"飛翔"は、ヤンとラインハルトのどちらにより似つかわしいのでしょうか?次巻で少し見えてくるのでしょうか.....
2021/06/21
おかむー
ここから復路となる第六巻。『よくできました』。前巻で帝国vs同盟の戦争には決着がつき、ラインハルトは皇帝の座に、ヤン・ウェンリーは退役してフレデリカとの新婚生活。このまま物語はめでたし・・・とはいくわけもなく、ラインハルト暗殺未遂、地球教討伐、そしてレンネンカンプの暴走によりヤンに迫る危機と展開がとどまることはない。とはいえこの巻では謀略の比重が大きいため、シェーンコップの見せ場があるぐらいで、銀英伝の華ともいえる艦隊戦がないのである。まぁこの後まだ4巻あるので贅沢ではあるか
2017/02/25
金吾
○この巻では、レベロは高潔な政治家も国家を背負ったと思った瞬間に自らには課すことのない犠牲を他の個人に美名をもって強要出来るようになる点、地球教は大多数の無名の信者は教団に利用され尽くす存在である点において印象的でした。
2020/07/02
かえで
シリーズ6巻目。前巻でひと段落した物語は、早くも大きく動き始めます。ラインハルト暗殺未遂、地球教の本拠地である地球への潜入、そしてヤン・ウェンリー拘束..クライマックスに向けて様々な事柄が起こります。銀河英雄伝説は「架空の歴史譚」として書かれているので、「このときの選択を○○は後に悔いることになる」みたいな記述は結構出てくるのですが、そういうところが物語に更なる深みを与えています。次の巻ではさらに物語が動きそうです。楽しみです。
2018/07/11
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