銀河英雄伝説〈7〉怒涛篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-7)
銀河英雄伝説〈7〉怒涛篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-7) / 感想・レビュー
カピバラKS
●魔術師ヤンによるトリッキーなイゼルローン要塞再攻略戦、若きラインハルトと老ビュコックによるマル・アデッタ会戦の激闘が描かれる。●また、地球教は激しい弾圧を受けつつも禍々しく命脈を保っているようであり、フェザーンの黒狐ルビンスキーは潜伏しつつ陰謀を張り巡らせ、大衆煽動家トリューニヒトは誰からも嫌われつつ舌先と財力で政局操作に余念がない。●善玉系も悪玉系も全ての登場人物が豊かな個性を発揮して大活躍する豪華絢爛な歴史群像物語に酔いしれる。
2024/07/31
ぶち
久々の銀英伝です。この巻は、2つの白熱した戦いが軸となっています。戦略、戦術という頭脳戦を満喫しました。それにしても、最前線に立って戦うことでしか覇気を得られないラインハルトの将来を憂慮してしまいます。全銀河系を制覇して戦う敵がいなくなったら、いったいどうなってしまうのでしょう。今はヤンが健在ですけれど....しかしながら、そのヤンについて"生前のヤンはこうだった"というような記述が目に付き、気が気ではないのです。まるでヤンの死を暗示されているようです。次の巻で不吉なことが起こるのでしょうか...
2021/11/29
おかむー
瀕死の同盟とローエングラム王朝となった帝国の最後の一戦が描かれる第七巻。『よくできました』。「最後の一戦」とは言ってもヤン一党が出奔した残りかす(暴言)の同盟最後の意地であり、“自由惑星同盟”を終わらせるための戦いであるところはやるせない。六巻、七巻ともに、ヤンの救出劇、イゼルローン奪還の奇策、ビュコック提督の死に花などそこそこの面白味はあるもののやはりあくまでも五巻で不完全燃焼だったヤンvsラインハルトの再決戦へ向けての幕間劇なのである。
2017/06/04
かえで
シリーズ7巻目。まさに怒涛編。これでもかと話が加速していき、着実に物語は終幕へと向かっています。最初はヤンが好きだなあ、と思ったけど読み進めていくとラインハルトも同じくらい好きになってくる。物語も後半に差し掛かるため、重要人物が命を落とすシーンが多く出てくるので、読んでいて辛くなってきます。好きなキャラクターが死んでしまったときの喪失感たるや...でもそういうところも含めてこの作品の魅力です。次の巻ではきっとさらに大きな事が起こるのでしょう..怖いですが楽しみです。「民主主義に乾杯」
2018/07/13
金吾
亡国の様が見事に描かれていると思いました。国家も生きているのでいつかは滅びる時が来るとは思いますが、その一つの例衆愚政治、ポピュリズムを推進する国民、軍の暴走、統治者の無気力、裏切りが何巻にもわたる間によくわからせてくれたと思います。ビュコック提督の国家に殉じる姿勢は感銘を受けますが、部下をたくさん引き連れすぎたかなとも感じました。
2020/07/02
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