グリーン・レクイエム,緑幻想 (創元SF文庫 あ 1-1)
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グリーン・レクイエム,緑幻想 (創元SF文庫 あ 1-1) / 感想・レビュー
MICK KICHI
難波弘之さんのサウンド・ノベル・シリーズで小説と音楽のコラボを楽しむ。SF界の姫、新井素子さんとプログレ界の貴公子の邂逅。地球に不時着した植物型エイリアンの明日香と幼い日に裏山に迷い込み、彼女に偶然遭遇し、植物学者となった嶋村信彦の悲恋ストーリー。作者の瑞々しい文体が、女の子目線で語られる情景描写の巧さが際立ち、物語の大半をモノローグで進めてしまう感性に圧倒される。ラヴストーリーの裏で進行する地球規模のサスペンスと彼女の存在の謎が、現在から見ても自然破壊への洞察力と言う意味で興味深い。
2019/11/09
いりあ
1980年に発表した"グリーン・レクイエム"と1990年に発表した続編"緑幻想:グリーン・レクイエム II"を収録。これ1冊で全部読めます。彼女の代表作である"グリーン・レクイエム"は短い作品です。異星人と地球人のラブストーリーで初々しい主人公カップルが優しい文体で描かれているのですが、とても切ない物語です。そして後日談となる"グリーン・レクイエム II"は強さを感じました。前作だけでも十分に悲恋話として成り立つのですが、続けて読むととても深い話になっています。ジュブナイル小説として良いかもしれません。
2013/06/23
はなん
再読回数不明本)私の中でグリーン・レクイエムと緑幻想は連続して読むと辛すぎる物語、という位置でずっとあった。それが今回は全く感じず、連続だからこその切なさ、重さ苦しさよりも更に上に、優しさ、あたたかさ、そして穏やかな気持ちが残る。切実に読みたいと思ったから、か?それとも年齢を重ねた上でのことか。わからない。わからないけれど。。ラスト。拓の想いが今回は一番切なかった。胸に迫って苦しくなった。人は愛せるだろうか。次のいのちを・・・。愛するということばの本当の意味を理解することは。。人に出来うることだろうか。
2014/02/13
はなん
再読)変わらず重いものをずしんっと預けられ、受け止めかねる自分を見る。「グリーン・レクイエム」は素直に読めたんだけれども、「緑幻想」がキツかった。というか体力必要な作品であったことを改めて実感。祈ること。想うこと。求めること。受け止めること。それぞれがそれぞれの立場で。覚えていても忘れてしまっても、忘れさせられても。本質の部分で同じでありたい、と思う。この地球に生きる命として。今回は夢子の想いが一番近いなぁ。きみどり色といちめんのなのはな。
2017/05/07
hnzwd
地球に落ちてきた植物型エイリアンとそれをめぐるトラブルを書いた作品。人間ー植物。自然ー環境あたりは考えさせられる。序章にあたるグリーンレクイエムと結末を書いた緑幻想を一冊にまとめているとの方ですが、2つ通して1つの作品という感じはします。今から30年以上前にこの考えってのはなかなか、、と考えるか、未だに解決できてないな、と考えるか。
2023/11/04
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