ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S> (創元SF文庫)
ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S> (創元SF文庫) / 感想・レビュー
巨峰
Sの巻は、ハードSFを中心に本格的なSFを取り扱う。スピンオフ作が多くて全体を知っていたら、もっと理解できたのにといううらみはある。その中でちょっと無理かなと思っていた神林長平さんの作品が意外に読みやすかったので今後挑戦してみたい。今回一番良かったのは野尻抱介さん。その「風景」を想像しながら読んでみた!高所恐怖症気味の僕には無理だけど、人間の存在のはかなさとか矮小さを感じるとともに、主人公の勇気・使命感も感じた。上田早夕里さんの「魚舟・獣舟」は再読だけど初読の時より更に感銘を受けました。
2024/11/11
たまご
宇宙を目指すもの,first contuctものに見せかけて…,継ぐ繋がるそれを否定する,って感じの,やや未来・ハードよりに感じた短編集.シリーズ物からの作品も結構あって,もとを読んでいなくてちょっと残念.物理苦手な私として覚悟して読んでいたらとても面白かった「大風呂敷~」が収穫.安定の「ラギッド・ガール」.あれもこれも私,とこんがらがった「~箱庭」.てえへんだてえへんだ,の裏にそんなことが…!の「Yedo」などなど,おかしろくこんがらがり時に叙情に浸る作品たちでした.10年代,とかあるのかな.
2021/11/28
ふりや
大森望さん編纂の日本SFアンソロジー。現在の日本SFの流れを作り、支えている作家たちが並ぶ豪華なラインナップ。半分ほどは既読でしたが、再読しても変わらない面白さでどの作品もハズレなし。特に飛浩隆さん『ラギッド・ガール』の飛び抜けたクオリティの高さに感嘆し、伊藤計劃さんの作品には胸が熱くなりました。その他に印象に残ったのは、特異体質を持った主人公の活躍がヒロイックだけど悲しい上遠野浩平さん『鉄仮面をめぐる論議』クローンの姉妹たちの切ない交流を描いた菅浩江さん『五人姉妹』上田早夕里さんの『魚舟・獣舟』など。
2020/12/20
雪守
全ての作品が面白かったSFベストアンソロジー。それにしてもあとがきには驚きました。ゼロ年代SF傑作選の陰の立役者がここに! どおりでタイトルの許可が下りるはずだよ。特に面白かったのは二編。上田早夕里「魚舟・獣舟」、終末を感じさせる世界の美しさが際立っていました。表題作の神林長平「ぼくの、マシン」、番外編とのことですが、本編で一体どんな世界を描いているのかすごく気になります。いいアンソロジーを読むといつも感じますが、許容量をオーバーしてどんどん読みたい本が増えていく…。
2010/11/06
亮人
本アンソロジーの性格上、収録されている短篇のほとんどが各個人短篇集で読めるという、SFヲタには全くお得感の無い一冊。俺もほとんど持ってるけど、ことごとく積んだままなので問題無く楽しんで読めた。10年間のベスト集成ということなので各篇すべて凄くレベルが高く読み応えがある。個人的には、『戦闘妖精・雪風』の深井零の番外篇が読めたのが良かった。
2010/11/07
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