逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成<F> (創元SF文庫)
逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成<F> (創元SF文庫) / 感想・レビュー
巨峰
全編良かった。日本のSFが得意としているところですよね。三崎亜紀さんは最近あんまり読んでなかったので、また、近作を読んでみたいと思いました。このひんやりとした読後感は特有のもの。備忘録的にお初やお初に近い作家さんのお名前をあげておきます。古橋秀之、森岡浩之、石黒達昌、山本弘
2024/11/11
ぜんこう
■彼女の痕跡展/三崎亜記:三崎さんの消失は病みつきになります■陽だまりの詩/乙一:この話が入っていてまた読みたくてこの本を借りました■闇が落ちる前に、もう一度/山本弘:実は宇宙は8日前にできて9日後に消滅する■マルドゥック・スクランブル"-200"/冲方丁:アンソロジーで読んでばっかなんでシリーズにチャレンジしたい■逃げゆく物語の話/牧野修:「華氏451度」の焚書される本の立場のような話
2018/02/03
亮人
《S》が本格SFで《F》が奇想SFということで食指が動かず《F》だけ放置してたけど、間違いでした。こちらも質の高いSF作品が存分に楽しめた。「冬至草」はSF的な話の展開がなく淡々と新種の草の話をしてるだけなのに惹き込まれる、かなり特異な空気感。「第二箱船荘」は、北野勇作の最近の再躍進を改めて感じさせる面白さ。「予め決定されて~」は馬鹿な1発の発想を真面目に計算ずくで書いているのが面白い。表題作はゼロ年代を締めくくるにふさわしい物語のための物語。
2011/11/21
Norico
SFの定義ってむずかしい。大森さんの前書きにある通り、この短編集には「すこし」「ふしぎ」系の物語がまとまっていて、読んでいてSFの幅広さを感じます。恩田陸さんの「夕飯は七時」が面白かった。冲方丁さんの「マルドゥク・スクランブル」の本編読んでみようかしら
2019/03/31
ふりや
大森望さんの編纂によるゼロ年代日本SFアンソロジー。「S」はハードだったりテクニカルな作品を集めた作品集でしたが、本作「F」はファンタジックだったり「すこしふしぎ」な作品を集めたもの。印象に残った作品は、あるアンドロイドの心情の変化を叙情的に描いた乙一さん『陽だまりの詩』突然空から落ちてきた人間型の時限爆弾との交流をラブコメ調で描いた古橋秀之さん『ある日、爆弾がおちてきて』新種の植物の生態を描いた石黒達昌さん『冬至草』沖方丁さんの『マルドゥック・スクランブル"-200"』は本編も読んでみたくなりました。
2021/02/17
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