原色の想像力 (創元SF短編賞アンソロジー) (創元SF文庫)
原色の想像力 (創元SF短編賞アンソロジー) (創元SF文庫) / 感想・レビュー
雪守
新人作家のみのSFアンソロジー。ずば抜けてレベルの高い話はありませんでしたが、バラエティに富んでおり、新人作家のみと考えるとかなりの質です。特にお気に入りの短編は二作。亘星恵風「ママはユビキタス」、設定がとにかく凝っていて、主人公の一人語りも違和感なく入ってきた王道の宇宙SF。松崎有理「ぼくの手のなかでしずかに」、静かで落ち着いた雰囲気が好きです。
2011/05/01
女神の巡礼者
NOVAシリーズも第1期読み終わったので、他に読み残しているアンソロジーに手を出しました。まず創元SF短編賞アンソロジーの第一弾を選択。まず驚いたのが、高山羽根子さんもこの第一回がデビューだったということ。直木賞・芥川賞の候補常連の宮内悠介氏と芥川賞作家の高山氏もそうだったのなら、この第一回はどれだけレベル高かったのか。実際読んでみて、各受賞作以外の作品も読み応えがあって、全作品面白かった。本書のあとお見かけしない作家さんもいらっしゃいますが、私の不勉強かも。新人賞の応募作なのにすごいアンソロジーでした。
2024/05/24
シロビ
『ぼくの手のなかでしずかに』が特に良かった!後半、「おいおい。ちょっと待て待て…」と心の中で突っ込みをいれつつ、笑いながら読んだ。そこ…そこか(笑)文章に現れる「数字」が段々と減っていくように感じたのは私だけかしら。頭が冴える感覚の表現かなぁ。徐々に変化していく世界の姿が素敵。最初から最後まで「出たよ、数学者」がしっくりくる作品。『あがり』も読んでみたい。 座談会面白すぎて…感想書いてから読むべきでした。書き手も読み手も「SF大好き!」が伝わってきてにやにやした。 他、『土の塵』『盤上の夜』がお気に入り。
2018/06/12
unknown
『潮騒』をオマージュしつつ、<巨大娘フェチ>な趣向に思わずニヤけた(ペンネームの「笛地」は、やっぱり「フェチ」に因んで?)、官能的かつ神話的な「人魚の海」、筒井康隆や清水義範みたいな愉快な言葉遊びでゲシュタルト崩壊な「かな式 まちかど」が好み。でもダントツで好きなのは「盤上の夜」。極限まで感覚を研ぎ澄まし前人未踏の感覚領域へと踏み入れんとする由宇の危うさと凄みに惹き込まれた。「ママはユビキタス」「さえずりの宇宙」は凄く好みな感じなのに今一歩でハマり切れず悔しい。でも、全編読み終えてみれば結構な満足感。
2012/05/19
やす
創元SF短編賞創設時の候補作一挙公開、新設賞の賑わいが感じられる。宮内悠介さんの盤上の夜再読。何度読んでもいい。
2020/01/08
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