超動く家にて (創元SF文庫 み 2-3)
超動く家にて (創元SF文庫 み 2-3) / 感想・レビュー
Shun
宮内悠介のSF短編集。なんでもアリ設定、そして荒唐無稽なアイデアも作品にしてしまっていて超楽しい作品集でした。基本的にシリアスさは無い。無いがおバカな話を真面目に書いた準シリアスな作品が丁度良い塩梅で面白い。筆頭は1作品目に載っている「トランジスタ技術の圧縮」だろうか。タイトルだけ見るとSFっぽさはある、しかし中身はすごく馬鹿馬鹿しい話で、これは誉め言葉である。近未来、広告ページが多いと有名らしい雑誌「トランジスタ技術」のページを圧縮する似非競技の世界を超真面目に描いている。なかなかぶっ飛んだ作品だった。
2024/09/26
hnzwd
色々なジャンルの話を描き、SFだけには収まらない宮内さんの短編集。短編ならではの変化球が詰め込まれてます。冒頭のトランジスタ技術の圧縮がもう独特の世界観。
2021/05/31
one_shot
宮内悠介氏の超絶バカ短編SF16本+あとがきは、どれも読み手の読書姿勢を半身にさせる。正面からこの「しょーもな」を受けたら怪我や火傷は免れない。思いついてもわざわざ書かんだろうよ、というものだけが何かの間違いで書かれて上梓されてしまった。劈頭、実際に全ページの半分を広告が占めると言われるエレクトロニクス雑誌「トラ技」の広告部分だけをカットしどのように圧縮保存するかという架空のコンテストを描いた「トランジスタ技術の圧縮」など、電子書籍の敷衍でそのテーマ自体が時代錯誤となっているが、それも含めて愛でる短編集。
2022/05/01
ロア
タイトルに惹かれて読んでみた、初宮内悠介。自薦短編集です。創元SF文庫なのでSFの話なんだろな~という前情報のみで読み始めたのですが、どの話も面白くて読むのを止められず、ほぼ一気に読了。筆者が今回初めて執筆したというあとがきに「ネタに偏った作品のみを集めた」とあり、なるほど納得。あとがきも面白くて既に5回くらい再読済み。酉島伝法による解説も良かったです。解説によると、本書は俗称「宮内悠介バカSF短編集」であり、担当編集者どうしで、どの作品が最もバカなのかが議論されたそうです(*´ω`*)
2021/10/15
かもすぱ
悪ふざけ成分とSF成分とが奇妙に入り混じる短編集。巻頭の『トランジスタ技術の圧縮』なんて、冒頭半ページから「あれ、おかしいな?」感が振り切れる。雑誌「トラ技」を圧縮する競技のスポ根なんてどういう心境ならこんなの生まれ落ちるんだという怪作(あとがきに執筆動機記載あり)。とはいえ、おふざけ無し短編もあってなかなかの出来でさすがという感じ。『弥生の鯨』はSF谷崎みたいな作風でおふざけだったのか判別が難しいところ。柞刈湯葉とか三方行成が好きなら是非。
2021/05/06
感想・レビューをもっと見る