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殺戮の宗教史

殺戮の宗教史

殺戮の宗教史

作家
島田裕巳
出版社
東京堂出版
発売日
2016-03-03
ISBN
9784490209341
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殺戮の宗教史 / 感想・レビュー

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HANA

センセーショナルなタイトルだが、内容は極めて真摯。イスラム教やキリスト教、仏教や神道等が内在している殺人や罪といったものをどう捉えているかという事について記されている。悪人正機や唯除五逆については捉え方が違っているようにも思えるが。それでもイスラム原理主義が根拠としている部分やアルカイダの組織、アメリカの福音原理主義等が説かれ、目から鱗の部分も非常に多い。特に一神教が内に含む二元論は非常に興味深く読めた。自分のようなイスラムに対して半可通の知識しか持っていない者に対しても、丁寧に教えてくれる一冊であった。

2016/05/12

そうたそ

★★☆☆☆ タイトルにつられて読んだが、思っていた内容と違い、しまったなという感じではある。殺戮、宗教と聞くとオウム真理教を思い浮かべるが本書ではそういった新興宗教のトピックはほぼ皆無で、イスラム、仏教、キリスト教の話題が大半を占める。かなり専門的な内容に終始しており、初心者には敷居の高い内容である気はする。

2017/07/21

Cinejazz

人間は「死」を免れることが出来ない。「死」をどのように捉え向かい合えばよいのか、この問題に対処し導きを得るための「宗教」が必要となる。人類の歴史は「死生観」に根ざした宗教がぶつかり合う生存競争であり、信仰する宗教と政治信条の相違が必然的に殺戮を生むことになった。宗教(神も仏も)は、殺人を戒め抑制する役割を担っているが、戦争やテロによる殺戮が繰り返されてきている。全人類の四分の一を超えるイスラム教は、武力による拡大を正当化し聖戦を旨とする。全人類の無宗教化で殺戮の宗教史が幕を閉じるのか、甚だ疑問が残る。

2021/08/17

遊々亭おさる

宗教は概ね信者への説法や布教活動において世界平和を謳っているものと思うが、現実では宗教の名のもとでテロが頻発し、終わりの見えない泥沼に陥っている21世紀。世界三大宗教を中心に、宗教が殺戮を誘発する根幹を説明した一冊。唯一無比の絶対神を崇め奉るキリスト教とイスラム教の問題と捉えるのは間違いのようで、多神教においても殺戮の萌芽を促す危険性はあるとの事。無条件に信じきれる存在は生きる力になると思うも、宗教という仕組みが持つジレンマがある限り諸刃の剣であり続ける。宗教がある限り、答えの出ない問いを考え続けるのか。

2016/04/18

Yohei

世界史と殺戮史はリンクしている。善悪二元論に立つ時、人は優劣の感覚から殺戮へと向かっていってしまうのかもしれない。

2019/04/05

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