THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―
THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語― / 感想・レビュー
ケイ
クルド人達は今後、どうなっていくのだろう。フセインを倒す、アルカイダを殲滅する、ISISを解体させる…。そう世界が動く間に、クルド人問題はどう話し合われていくのだろうか。序文は、作者の弁護士となり、ともに国連で発言したアマル・クルーニー。
2019/12/23
のっち♬
ISISに家族を殺されて性奴隷として売られた著者。彼女たちの処女を奪うことは信仰や未来まで凌辱することであり、イスラム国は周到な企てをしている。本書は単なる体験記ではなく彼女を支え続ける精神の基盤となる家族や周囲との絆、信仰、価値観なども綿密に記載。序盤の花嫁殺しや非情な裏切りなどもそうだが信仰には不寛容も付き纏いがちだ。復帰を歓迎したコミュニティの即断は明確なアンチテーゼであり、ナーシルらの勇敢な行動は人間のモラルが秘めた力強い希望として輝いている。LASTへの鍵は戦争継続の麻痺から目覚めることからだ。
2022/05/19
ゆみねこ
まず、ナディアの勇気に敬意を表したい。イラク北部の小さな村で穏やかに暮らしていたヤズィディ教徒たちが襲撃された。IS に囚われた女性たちを襲う悲劇。決死の脱出とその後の世界への発信。ノーベル平和賞受章でこの本を知ることができました。多くの人に読んで頂きたい。
2019/04/10
どんぐり
「ほかの何よりも、この世界でこのような体験をする女性は、私を最後(ラスト・ガール)にするために」と記録された、2018年ノーベル平和賞受賞のナディア・ムラドの物語。イラク北部のコーチョの村で暮らす少数民族のヤズィディ教徒がISISの武装集団に襲われる。ヤズィディ教徒を殺すか、改宗させるか、住んでいる土地から追い出し、すべてを奪い取った末に消し去ろうとするジェノサイド、歴史は何度も繰り返してきた。ナディアの一家は、母親が処刑され、兄弟の6人が殺され、若い女性たちは拉致されモースルでサビーヤと呼ばれるISIS
2019/02/10
キムチ
2018ノーベル平和賞の紹介で彼女の事を知り、感動で胸が熱くなった。この表紙、凛とした表情と手指の持つ意味。小さな日本の空から世界を見開くことに背中を押された気がする。3章構成は読み易く、事がどう起き、流れ、行動を起こしていっているか具に理解することができる。先日、Eテレドキュランドで「イラン禁断の扉」を見たばかりだけに尚の事「いま、この時に、こうした状況下で生きねばならぬ人々がいる」ことの衝撃を受けた。かといって、根深い部族対立に、考えは言えぬ。マイノリティの存在は数字的に反転もありうるから。
2019/02/26
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