属国民主主義論
属国民主主義論 / 感想・レビュー
Tui
アメリカの意向に沿った政策しか行うことが許されない日本という国の実情を前に、心穏やかではいられません。では何故こんな本を読むかというと、①教科書はもちろんテレビや新聞をはじめとしたメディアは面倒くさがって一切そのことを教えてくれないから。②恥ずかしい日本バンザイな勘違いをするのも、かといって現状を無根拠にディスるのも、どちらも御免被りたいから。この対談がなされたのはトランプ大統領が誕生する前ですが、ポピュリズムと排外主義の跋扈する将来像はこの二人にとって既定路線なので、トランプ後の世界も日本も学べますよ。
2017/01/19
カープ坊や
植民地の日本の首相アベは右翼なのに宗主国のアメリカ様に従順なのかよく分かる本。 アメリカ様の逆鱗に触れて抹殺された田中角栄以来 アメリカ様に従属することで植民地日本国内で権力を手に入れることができるなだな! アメリカ様によるアベ首相への二つの評価が面白くもあり、納得できるものでした。 ①「極右の歴史修正主義者」 ②「アメリカのあらゆる指示を聞いてくれるイエスマンの政治家」
2016/09/23
呼戯人
本当はもっと昔から当たり前のようにして言われていなければならない現状認識をようやくはっきりと言えるようになってきた正直な題名にまず感心する。私が初めて日本が属国であるという認識を持てたのは、鶴見俊輔の本でだった。しかもそれはこっそりと囁くようにして発言されていたのだが、最近になってようやく人々の共通認識になってきたような感じがする。徹底した対米追従路線と戦前の国体へ回帰する願望が同居する矛盾に極右の人々は気づかないのだろうか。すべてはアメリカの政策立案者によって決められている。独立は可能なのだろうか。
2016/08/08
hk
「二十歳にしてリベラルでないものは情熱にかけ、四十歳にして保守でないものは思慮に欠ける」 これはチャーチルの箴言だ。さて本書の著者のかたわれである白井さんは1977年生まれの数えで39歳。四十路(よそじ)が目の前に迫っている。永続敗戦芸人としてポイントオブノーリターンを超えてしまった手前、おいそれと保守的な物言いは出来ないと思っているのだろう。だが大丈夫。オイラの界隈では誰一人として白井聡を知らない。「誰それ?阪神の4番だった人?」ってな感じだ。イデオロギーの呪縛で自縄自縛に陥るには若すぎると思うんだ。
2016/12/19
九曜紋
内田樹と白井聡という当代きっての知性派による対談は知的スリルに満ち、読んでいて興奮を隠せない。しかしマルクス主義者の内田氏、レーニン主義者の白井氏が反安倍・反米を主張することは当然としてもリベラリズムの敗退は既定の事実ではないのか?という違和感は残る。世界史的には冷戦終結による東側陣営の敗北、卑近な例では日本の民主党政権の頓挫等。保守反動の行き過ぎを戒めるために、また米国と結託したグローバリズムのこれ以上の跋扈を許さないためにバランサーとしてのリベラリズムへの期待はある。しかし現状は机上の空論ではないか?
2016/07/17
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