実践 医療現場の行動経済学: すれ違いの解消法
実践 医療現場の行動経済学: すれ違いの解消法 / 感想・レビュー
カエル子
医療現場で、人間の認知特性を知り、診療に役立てていこうという動きが活発化していることの証左となる一冊。医療従事者に手指衛生を遵守させるには認知的不協和を理解する必要があると、そこの説明がわかりやすくてシビレた。選択的注意の進化版「非注意性盲目」の研究事例とか直近のセミナーでそのまま紹介できそうで嬉しい。医療現場に限らず、行政の取り組みもたくさん紹介されているのでぜひ多くの人に読んでもらって、みんなで認知科学を勉強して、社会全体で許し合い助け合いながら幸せを目指す枠組みを作りたいですね!
2022/09/25
FuSa
仕事関連。患者との信頼関係構築やインフォームド・コンセントについて行動経済学的観点から論じた一冊。賛否はわかれそうだけと、こんな考えを持ちながらやってる医師もいるんだなと参考にはなる。
2023/12/26
つかず8
オーディブル。最適な治療選択を妨げる患者の感情やバイアスにどの様に対応するかのハウツー本。本書では、患者に適切な治療を選択してもらう為のきっかけ等をナッジと定義している。一例として、患者は治療の変更や中止に対して、応じると損失を確定してしまうという損失回避バイアスが入り、合理的な選択が出来なくなる。また、医師側も同様にこれまでの治療の継続やリスクの高い治療選択により合理的な選択(治療)が出来ない事も往々にしてある。実際の現場で患者に最適な医療を提供する為のナッジは今後の研究対象として興味深い。
2024/06/07
Go Extreme
行動経済学を使うとは: 行動経済学・ナッジ ンフォームド・コンセントをナッジする 行動経済学を医療の実践にどう使うか: 新型コロナウイルス感染症対策の行動経済学 感染症対策としての手指消毒 選択アーキテクトとナッジを活用する国を挙げての肝臓病対策の秘策 SMSを用いたナッジによる特定健診受診勧奨 自分のペースで今後の医療・ケアを話し合うための人生会議 アレルギー性疾患の治療における行動経済学 非感染性疾患における行動経済学 内服投与事故のプロセスと解決 メンタルヘルスケア受診・受療行動促進のためのナッジ
2022/05/20
かに
「医療現場の行動経済学」実践編として、実際に現場でどのように行動経済学を利活用しているかの事例紹介を集めた書籍。理論編を読まずにいきなりこちらを読んだが、興味深く読めた。第1部(巻頭インタビュー「『医療現場の行動経済学』は臨床医にとって本当に役立つのか?」、ナッジの解説、インフォームド・コンセプトをナッジする!?)の導入があるおかげで、医療に行動経済学を適用することの可能性と課題が明確になっている。第2部は幅広い診療科をカバーしているが、第1部があるおかげで書籍全体にまとまりがあり、読みやすかった。
2022/07/15
感想・レビューをもっと見る