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デジタル資本主義

デジタル資本主義

デジタル資本主義

作家
森健
日戸 浩之
此本 臣吾
出版社
東洋経済新報社
発売日
2018-04-20
ISBN
9784492396414
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デジタル資本主義 / 感想・レビュー

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izw

NRIの研究成果として毎年発行する三部作の第一弾。デジタルで経済、社会がどう変化するかを的確に捉え、資本主義の進化過程として、商業資本主義、産業資本主義の後に続く形態をデジタル資本主義と呼び、その実態を解明する。GDPには、デジタルによって顕著となった消費者余剰が含まれていない。シェアリングエコノミーにより生産者余剰と消費者余剰が曖昧になっている実情も生活レベル意識のギャップを生む一因となっている。GDS(国民総余剰)という指標を模索中らしく、三部作が完成するまで結論が出ることを期待する。

2018/09/12

templecity

経済の成長率は鈍化しているのに、人々の生活は向上していると感じている。IoT技術によりマッチングやシェアリングが容易になり、企業が物を沢山作ったり用意したりする必要が無くなってきたことが要因である。保険では運転の状況をモニターすることができ保険料をそれに合わせて低減できる。これまでの社会では知人同士の間でしか物の貸し借りをしていなかったが、メルカリなどの仕組みによって安心して他人同士でもモノを売ったり買ったりすることが出来るようになった。IoTによって双方の立場が平等になった結果である。

2018/10/07

まっさ

効率化が生産者余剰を蝕み経済規模を縮小させていく流れは人口減の先進国では必然の流れ。限られた利潤に対してますます資本主義は暴走(言い過ぎかもです)していくイメージしか今のところ湧かない。その意味で究極の民主主義を見出すDの領域はなかなか想像し辛かった。ただ資本主義の支配者もやはり個人意思ではあるので均衡世界が自然的に生まれて来るのだろうしそれが著者の言う理想的なDなのかはわからない。

2020/09/05

牧神の午後

GDPでは測れない富という着想は確かにその通りで、今までの物差し・尺度が通用にしない社会に我々は移行しつつあるのかもしれない。でも、それがこの本の言う通りにデジタル資本主義として、提示されたいくつかの道の中の一つをたどるかどうかは判らないし、自分自身は人間の受け入れが間に合わないのではないか?それこそB級SFのように「我々にはまだ早かった」になりかねない危うさを感じてしまう。

2019/01/27

かわかみ

本書は、2018出版で周回遅れで読んだが、論点の掘り下げが深く、よく整理されている。日本では人口は減っても一人当たりGDPは増加しており生活の質は向上している。デジタル技術により計測できない消費者余剰が増え、シェアリングエコノミーとデジタルコモンズの領域が拡大している影響がある。柄谷行人の4つの交換様式モデルと川田順造の3つの技術文化モデルを交叉することによって、デジタル資本主義の3つの未来シナリオを考察した点は白眉だろう。少なくともデジタル技術には貨幣経済の空間を縮小する可能性があることは重要だ。

2024/10/19

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