怖いうわさ不思議なはなし: 現代の妖怪と異界 (民話の手帖)
怖いうわさ不思議なはなし: 現代の妖怪と異界 (民話の手帖) / 感想・レビュー
鷺@みんさー
93年発行。さすがに古い。江戸から続く伝統的な妖怪と、口裂け女などの都市伝説が並列して語られている。とはいえドイツの敗戦直後に生々しく語られた都市伝説は、ありがちながらもぬめっとした存在感がある。市川團十郎が語る、「お岩さんの怪」も貴重。ブルターニュの死神「アンクー」。だが最も恐ろしいのは、娘が誘拐された途端に「じつは連れ子で、保険金がかけられている」という噂が勝手に真実として独り歩きし始めたことだろう。やはり、人の心が一番怖い。
2018/08/29
ワッピー
All Hallow's Eve23参加本。今となっては古典的な現代民話の紹介として、金縛り・学校の不思議・自動車系・機械系、あるいは口さけ女や人面犬の話とともに、母親による子殺し、河童・天狗・山姥・ひとだまといった「由緒正しい」怪異も紹介。ブルターニュ地方の死神やドイツの怖がり事情といったトピックもサービス満点。『現代民話考』12巻の超抄録36話も収録。日常の世界と目には見えないけれども、すぐそこにある異界との境界域の話が興味深い。そのベールが開かれるのは法則性があるのか、人それぞれ違うのか、考える⇒
2023/10/01
K
(1993,388.1)そんな古い本とは思わないほど状態がよく、県立の保存方法に興味がわく。たいていこの年代の本はかなり年季が入っているのに・・・。松谷さん、小松さん、常光さんら大御所が書いていて内容も安定しているとわかっているのに、読んでみたくなる。市川團十郎の美しいことに驚く。このまえやった異界の本展示に最適であったなと思う。
2022/07/18
紅独歩
日本民話の会(松谷みよ子・常光徹)による民話の手帳シリーズの一冊。発行は1993年……「現代民話考(単行本)」が1985~1996、「学校の怪談(講談社KK文庫)」一巻が1990年だからほぼ同時進行ということか。特に興味深いのが十二代目市川團十郞へのインタビュー。定番の四谷怪談から本人が体験した「怪我人のいない血痕の話」、お化けより怖い現実の話などひととおり揃っている。飯野和好の【妖怪図鑑】収録。
2012/11/19
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