おしゃもじ天狗―わたしの西鶴 (こどもの古典)
おしゃもじ天狗―わたしの西鶴 (こどもの古典) / 感想・レビュー
ワタナベ読書愛
1969年発行。井原西鶴の作品を元に、子ども向けに21編の話を収録。原作者は大阪の人なので、関西の語り口で物語を語り、雰囲気を盛り上げてくれる。日本昔話風のもの、武士の名誉を守る話、人情話、皮肉の効いた話など、大人が読んでも充分読み応えがある。教訓めいた話も多く、当時の児童書を作る大人たちの教育方針が垣間見れる。300年以上たっても新鮮味や面白さがあり、たっぷり楽しめる驚異の短編集。文章担当者の思いが実現し、子どもが読めるレベルの優しい本で、昔の人の暮らしぶりなどがわかる。多くの人のかかわりを感じる一冊。
2021/07/30
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