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ぼくたちの緑の星

ぼくたちの緑の星

ぼくたちの緑の星

作家
小手鞠るい
片山若子
出版社
童心社
発売日
2020-05-21
ISBN
9784494020607
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ぼくたちの緑の星 / 感想・レビュー

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☆よいこ

児童書。SF。▽人々は名前を無くし番号で呼ばれる。学校では図工、音楽など創造的な授業が消え、質問は許されない。逆らえば「減点」され、居場所を失う。大きな『ゼンタイ・モクヒョウ』に向かうためにみんなで力を合わせて進むこと、『ジュウゾク』がなにより重要だと言われる社会。小学生の主人公の少年は、疑問を持ちながらも、重い空気の中、息をひそめてて暮らしていた。ある日、名前のない公園で一枚の地図を拾った。秘密の通信機でメッセージを送ると返事が返ってきた。ある出会いから少年は、名前を取り戻す。▽子供向けディストピア

2020/09/08

美紀ちゃん

児童書。 近未来SF。 不思議な、もやぁっとした世界だと感じていたが、大切なものが次々無くなっていき、子供は何か強いものから無理やり強制させられて過ごしているのかもしれないと感じた。 戦争はこわい。 戦争は自分で自分の国を、自分の大切にしているものを破壊すること。 平和な緑の星を守るために、どうすれば良いのか?考えさせられる内容。

2021/09/22

へくとぱすかる

ひょっとしたらこの世界は、もう後戻りできないところにまで、来てしまったのではないか? 「ぼく」は名前も禁じられ、ただ番号で呼ばれるだけ、刑務所のような学校で、「モクヒョウ」にむかって、ただひたすら戦うことだけを訓練される。そんな世界を描く物語は、過去にも書かれているが、ピュアな形で、そんな中での希望のあり方を見せてくれる。くれぐれも、この作品がよその世界のことだと思わないようにしておきたい。自由は簡単に失われてしまうが、それを取り戻すためには、おそろしいほどの苦労が必要なことを、歴史は教えているからだ。

2023/01/24

陽子

仮想ファンタジー。「ゼンタイモクヒョウ」を達成するため、ハカイとジュウゾクを強いられる子どもたち。図書室から本が消滅。音楽も花も緑もなくなり、色もなくなり絵も描けない死のような世界。そこに現れた、「僕」を救う不思議な地図の落とし主との出会い。「ゼンタイモクヒョウ」の目的の謎が明かされた時、「平和」の尊さが理解できる。一風変わった仮想世界の不思議な童話だが、当たり前に色彩や音楽、本を読む幸せと身近に自然のある生活を尊び、愛おしく振り返る事ができる。そんな作者の感性に深く共感できた。

2020/07/21

杏子

著者初のSF小説ということで、期待して読んだ。某、管理社会の中で翻弄される少年少女を描いた海外のディストピア小説を思い出した。そこまでは行かなかったけれど、小学生が理解できる範囲内で戦争や環境問題など様々なことを考えられる読み物になっていると思う。ラストも簡潔で感動的。静かに終わった。いろいろなメッセージがこめられた作品だと思う。

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