島田荘司全集 II
島田荘司全集 II / 感想・レビュー
勇波
「今」読んで良かったぁ~と強く思えた作品集★
2018/05/06
ぐうぐう
乱歩趣味を前面に押し出した本格物である御手洗シリーズでデビューを果たした島田だが、全集の2巻に収められた『寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁』で始まる吉敷シリーズで社会派風ミステリも描けることを証明していく。とはいえ、本格物のスタイルをいち早く放棄したわけではむろんない。収録された2本の吉敷シリーズと、1本のユーモアミステリ、そして直木賞候補にもなった『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』においても、奇想な謎をあくまでロジックで解くという本格物の法則を一片も損なってはいない。
2009/06/14
barabara
全てが粒揃い、夢中になって濃厚な謎解き世界にドップリとつかりました。嘘でもいいから殺人事件、が一番読みたかったのですが、鉄道ミステリー二編がどれも素晴らしく、全盛期の御大が得意とする不可能犯罪への果敢な挑戦がこれでもかと堪能できました。巻末の御大の過去の独白は、我流を貫く強さと、何より世論に負けない作品を驚くべき早さで産み出す実力を改めて思い知りました。ビッグになるまでの悔しさ、裏切り、不安…が赤裸々に語られ、こちらも読み応えある読み物となっています。
2013/02/21
みこと
やっと読んだよー。長かった…なかなか時間が取れず貸出延長してようやく読了しました。この厚さ、電車の中で読むのがどれだけ大変だったか…。ホームズ好きとしては最後の一遍を読まずに返すわけにいかず、何とか挫折せず読むことができました。夏目漱石とワトソンの表現、認識の違いの差が最後まで埋まらずちょっと消化不良な点は残るけど、でも楽しめました。巻頭の対談やあとがきもなかなか読めないので自分的にはお得感のある一冊でした。「うそでもいいから〜」と吉敷シリーズとのギャップもよかったです。
2015/12/28
白義
吉敷竹史初登場。吉敷もの旅情ミステリー二作と、ユーモラスな長編二作が入ってる。御手洗ものとはうってかわって、文章や叙情性、トリックと調査方法の地に足ついた感じとか、堅実なんだけどさすがに本格っぽさもあって、外れがない。ボクは御手洗の方が好きなのだけど、今巻ではあのホームズが御手洗のごとき活躍っぷりを発揮している。ユーモラスなものから本格、渋いトラベル・ミステリーまで、どんな作風を書かせても外れがないというのはスゴいことだ
2011/09/05
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