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春のとなり

春のとなり

春のとなり

作家
泡坂妻夫
出版社
(株)南雲堂
発売日
2006-04-25
ISBN
9784523264569
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春のとなり / 感想・レビュー

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タカギ

ミステリで奇想天外な話が多い泡坂氏ですが、直木賞受賞作など、ミステリ色の少ない話もあるんですね。要領の良い青年(著者の若い頃?)が、昼間は会社勤め、夜は夜間学校で勉強をしながら見つめた、戦後の東京。私は田舎の人間だから、戦後で大変だといっても、なんだかんだ東京は豊かだなーという感想ですが。豊村さんという女性が素敵でした。

2017/01/26

yonemy

途中、泡坂先生は義父と同じくらいの年齢と気付き、京都で紳士服仕立ての修行をしたという義父の青春時代と重ねて読み進めた。戦争を知らない我々とは、たくましさが違うとは予てより思ってはいたが、戦前戦中、戦後の混乱期と数々の不況を残り越えて高度経済成長を経て現在に至るのだから、モノが違うと納得。教養や文化への憧れを持つ反面、充分したたかな義父への理解が深まった恩ある一冊。

2019/11/04

マリ

戦後、焼け野原だったところがどんどん復興していく町と活気付いていく人達。何もやりたいことがなくて周りに置き去りにされていく自分。この時代ほど映画や演劇などにみんなが一点に夢中になっているところが羨ましい。

2012/05/05

浅木原

昭和28年頃の神田を舞台にした自伝的青春小説。本当に淡々とした普通小説・50年代風俗小説という感じで、『乱れからくり』も5年前に読んだきりで隕石と涸れ井戸しか覚えてないし、奇術との出会いを微笑ましく思ったりはすれども、特に書くことが浮かばないでござる。まあ明らかにそういう小説なのでそれでいいのかもしれない。

2015/08/08

お笑いループシュート

仕事先での一筋縄ではいかない人たちとの交流や夜学での同級生たちとの学校生活を、当時の世相や風俗を交えて話は進んでいく。父親が亡くなり家業を継ぐことになった同級生や、自分の進路を熱く語る友を見て、まだ何をやりたいのか見つかっていない秀夫は焦りを感じる。物語はこれといった大きな事件が起こるわけでもなく、ただ淡淡と進んでいって淡淡と終わってしまう。それも含めて『春のとなり』なんでしょうね。

2017/04/04

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