文学する若きアメリカ: ポウ、ホーソン、メルヴィル
文学する若きアメリカ: ポウ、ホーソン、メルヴィル / 感想・レビュー
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今や学会の重鎮となっている研究者たちの「若書き」の著作――「アメリカする若き文学研究者」といったところ。方法論としても「新歴史主義以前」といった感じで、今となっては懐かしい。脱構築や精神分析の悪弊として結果が見えてしまっている、還元主義的、実証性に乏しい、ゆえに今さら参照する必要はないのだろうが、巽孝之によるド・マンの影響をバリバリに受けたポー論三篇だけはやはり面白い。特に「ピム」と「群衆の人」を読み解く二編はテクストの虚構性・演技性が最終的には「現実」によって脱構築されるという、非常にスリリングな内容。
2013/12/19
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