反知性の帝国
反知性の帝国 / 感想・レビュー
Yoko Kakutani 角谷洋子/K
難しかったが、アメリカ文学にはメルヴィル、マーク・トウェイン、ヘミングウェイなどを経由しサリンジャー、ヴォネガットにいたる反知性主義の系統があるというのが、面白い。フォークナーの小説も知性主義と反知性主義のせめぎあいの文学であるという。フェミニズムと反知性主義の関連ではジュディス・バトラーが、文体が悪文であるとして散々に批判されていたというから興味深い。セクシュアリティの問題を扱う人はバッシングを受けやすいという現象はよくある話ですね。
2020/08/14
y-k-057
基本アメリカ文学を主軸として、アメリカの反知性主義を論ずるものがほとんどだけど、最後のものでは日本のそれへの言及もあり。示唆に富む良書
2015/07/11
星規夫
まったく皮肉なものですね、大学にはまず「実社会で役立つことを教えるべきだ」と期待する姿勢ほどに、反知性主義的な姿勢はありません。――デイン・クローセン『アメリカのメディアにおける反知性主義』 世の中を見渡す上で、この反知性主義という概念はとても大切なのかも知れない。
2012/09/12
いなもと
これまであまり触れてこなかった知性主義/反知性主義という論点を知るために読んだが、とりあえず先にホフスタッターに目を通すべきだった。尊敬する志村先生の論考はさすがの縦横無尽さで、語り口だけでも楽しめる。個人的にはやはりフォークナーに関する部分と、ホーソーンに関する部分が作家そのものへの理解もビートなどに比べちったああるので興味深かった。文学や政治だけでなく、アメリカの(下位?)エンタメを読み解くにも有用な視点かもしれない反知性主義。
2009/10/30
a.k.a.Jay-V
巽 孝之氏目当てで。オムニバス。視座を高めて視野を広げてくれる良書。ジャケのコラージュも良し。
2019/10/23
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