落第坊主の履歴書
落第坊主の履歴書 / 感想・レビュー
りゅっく
著者の膨大な作品群の一つ。狐狸庵先生の履歴書です。シリアスな小説も面白いけど、軽いタッチのこの手のシリーズも遠藤周作はとても楽しい。人生をかけて自省の方。この作品もそんなうちの一つです
1990/11/01
Ayano
私小説で読みやすい。戦中戦後の情景は私には思い浮かべることは困難だが、描写も詳しくて読み詰まることなく読める。「海と毒薬」のイメージが強すぎて著者を敬遠していたけれどイメージが覆された。 著者と交流のあった作家の名前も何人も登場しており読書好きには読みすすめやすい本だと思う。
2015/07/26
Etekow
その作風とは異なり筆者は非常にユーモアがあり面白い作家であることは周知のとおり。灘高出身であるから昔から頭が良かったのだろうと思っていたが当時の灘は今とは全く違っていたとのこと。幼少時より非常に問題児であり周囲の人々が心配していたらしい。筆者と違って非常に優秀なお兄さんに寝小便の癖があり、ある夜、寝小便をした兄が切ない顔で筆者を見る姿を見て、何を思ったか、もっと大きいものを出してしまった逸話には思わず吹き出してしまった。今は文庫本になっているようなので、是非読んで欲しい楽しい一冊である。
2014/04/02
Sumiyuki
神は見るのではなく、働きとして感じるもの@人生を歩むについてはたくさんの選択が可能であったのに、結局ここに来たわけで、これを私は選んでいるところをみると、意思のほかに、他のものを選ばせない無意識のものがあったのではないでしょうか。本能的にこっちの方がいいなと思って選んでいるのであっても、本能的に選んだというのはなにか理由があるわけで、理由をつくってくれたのはその場だと思うから、どうしても場とのつながりということを考えるようになりました。それを(神の)働きと言うのですが、私は働きを認めざるを得ないのです。
2011/08/09
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