楽天少女通ります
楽天少女通ります / 感想・レビュー
ひろさん
1998年発行。芋たこなんきんのドラマ化より8年ほど前に日本経済新聞に書いた「私の履歴書」をまとめて書籍化したもので、70歳の田辺さんが自分の人生を振り返った自伝。 まるで芋たこなんきんのドラマを見ているような幼少期から女学生時代(戦中)のエピソードが盛りだくさんで、あのドラマのエピソードが実話なのかと、逆に驚きます。かもかのおっちゃんの「中途はんぱが二つ寄って、トータルしたら按配、人生、満タンになるの違いますか」のプロポーズまで! 芋たこなんきんの世界に入り込めて、幸せな読書でした。
2022/06/22
hitotak
朝ドラ『芋たこなんきん』の再放送を観て、本人の自伝である原作本が読みたくなった。幼少期から戦中の少女時代は他著作で読んでいたので、作家志望の修業時代や多忙なデビュー後、夫であるカモカ氏とのなれそめや結婚生活などが書かれた部分を特に面白く読んだ。作品世界にも通じる田辺さんの明るさ、タイトル通りの楽天性が全編に感じられる。辛いこと、腹の立つこともあったはずだが、あまり思い悩まず、常に前向きな生き方が貫かれていて、その心の持ちようを見習いたいと思った。
2022/09/26
EKKO
BSで朝ドラ「芋たこなんきん」をとても楽しく観ています。「楽天乙女」という著作が登場していたので、図書館に予約してみました。 ドラマの中では小説でしたが、こちらはエッセイ。幼少の頃の思い出から時を追って70歳まで、田辺聖子さんが自分の人生を振り返りながら書かれていて、まるで一緒にお酒を飲みながらフランクに語りかけてくれているようでとても楽しいエッセイでした。ご自身の著作についての解説や執筆裏話なども盛り込まれています。 大阪弁で小説を書くことの意味、大阪弁の表記への細心の注意、などもとても興味深かった。
2022/07/29
ジュリ
戦争中でも学校を楽しんだり、4人の子どものいる男性と結婚しても結婚生活を楽しんだり、楽天的な人なのだなと思った。楽天的だから人に恵まれているのではないだろうか。
2024/07/29
とまと
前半は他の自伝的小説と内容が重複するところが多い。第三章から文学修行、文壇デビューから現在に至るまでが書いてありファンにとっては貴重。編集者や先輩作家が後輩を育てようと心配りしている様が書かれている。お聖さんもそれを引き継いでジュニア文学賞を創ったりしたのだろうなあ。また、私生活について、義理の仲の母子についての記述には特に温かさと賢さを感じた。「継子もわが子同様にいつくしみ育てよ」という風潮を「バカバカしいにせ神話」と言い切る。義理の仲の子育てに悩む人がいたらそこだけでも(197頁~)読んでみて欲しい。
2012/01/22
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