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われ巣鴨に出頭せず: 近衛文麿と天皇

われ巣鴨に出頭せず: 近衛文麿と天皇

われ巣鴨に出頭せず: 近衛文麿と天皇

作家
工藤美代子
出版社
日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
発売日
2006-07-01
ISBN
9784532165635
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われ巣鴨に出頭せず: 近衛文麿と天皇 / 感想・レビュー

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Willie the Wildcat

運命、巡り合わせ。リーダーの資質と時勢の影響。近衛氏と木戸氏の”生き様”の対比。近衛氏と松岡氏の”大局観”の対比。これら2つの対比が印象深い。前者は「大義」。潔さと狡賢さ。生き方の正解を問うのは酷な気もする。後者は「国益」。私欲とプライドの有無が、大局観を鈍らせる。近衛氏の首相としてのリーダーシップと、成果の判断は難しい。時勢を考慮すると最善を尽くしたとも言えるが、時勢を踏まえても結果を求められるのが首相。当時、器を持った人材欠如も混乱の遠因かもしれない・・・。

2013/04/28

すみす

作者の作品を読みたくなり購読。力作だがキレはない。日華事変から大東亜戦争、終戦という正に日本の激動期における中枢の腐り方の描写が酷い。自らの利益の最大化のみを追求する中での意地と確執、無責任極まりなくすぐに職務を投げ出す姿勢等、これまでの定説ではあるのだろうけど、負けの原因を安直に求めすぎた結果のように感じ受け容れ難い。理論的に説明できない場面が多く、作者の私感や史観、イデオロギーが相当入っている印象もあり。本書読了後、あまりの無念さ故、靖国神社に参拝してきました。

2020/09/20

mazda

中国との対話の機会を自ら怖し、政権がうまくいかないと投げ捨て、挙句、GHQに逮捕されそうになると自殺と、どこを見ても責任を全うしたことのない人だと思う。本来であれば、広田ではなく彼が戦争犯罪者として罰せらるべきだったはず。孫も政権末期に投げ捨てしてるんだから、血は争えない…。

2012/04/15

猫草

「近衛は弱いね」という昭和天皇の言葉の意味深さ。天皇と近衛・東條などの関係など興味津津で読み進んだ。近衛の名誉挽回が狙いなのだろうが、冷静に見ても近衛文麿の首相としての能力は弱い。東京裁判を拒否しての自殺ではあるが、彼の中には公家としてのジレンマを抱えたもっと内省的な自殺指向があったような気がする。

2011/03/16

ささ

■近衛文麿に関する本を読むのは、これが初めてです。今まで抱いていた印象とは、大きく違うものでしたが、これもまた歴史の側面でしかないので、多方面から人物評を知る必要があると思います。 家族にとって唐突な自殺だっただろうと思っていましたが、そうではなかった。 かねてより危惧していた共産主義に、追いつめられる結果になるとは……。 それにしても、利害関係者が、同じ屋根の下で暮らしているのは、いかがなものかと。これではなにかしらの密約があったと思われてもおかしくはない。対する近衛が不憫に思えました。

2013/02/13

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