赫奕たる反骨吉田茂
赫奕たる反骨吉田茂 / 感想・レビュー
Willie the Wildcat
直情径行。広田氏・東郷氏に対する内田氏。この比較に、吉田氏の言動のスジを垣間見る。武官や秘密工作員をも魅了する人柄があっての”放言”。一方、閑職への左遷も、常に自身の肥やし。故に、機会が巡る。人生訓。(本著は、政治観ではなく人生観が主観のため)印象的なのが、寄宿舎時代の詞。心に負った家族愛への想い。豪快さと対照的な繊細さに、どこか納得感。蛇足だが、「皇太子の採寸で汗タラタラ」とは、吉田氏も普通の人間であった証・・・。(笑)
2013/12/04
夢仙人
対戦中の英国にチャーチルあり、終戦から戦後に吉田茂あり。天の配剤の不思議を思う。しかし、現在の日本には優れたステーツマンの配剤はないのか。
2010/03/31
陸のタコ
個人も,国家も「塞翁が馬」.将来,何が幸いするかわからない.教科書には,当たり前のように書かれている史実が,微妙な運も作用して決まっていることを知り興味深かった.
2010/10/04
yearning for peace
土佐特有の「いごっそう」の気質を持ち、止むを得ない実父の事情から、吉田家へ養子入りした茂は、明治の第二世代。外交官としての最初の任務は、奉天行き。厳しい上司に鍛えられ、いわゆる出世街道ではなかったことが世界を見る眼を養ったようだ。妻・雪子、岳父・牧野伸顕、近衛文麿など、彼を取り巻く運命は、なるべくしてあの戦後直後の混乱期に首相になったような気がしてならない。彼の死後の妻への約束したエピソードが胸に焼きついて離れない。
2010/05/21
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