世界を創った男チンギス・ハン 3
世界を創った男チンギス・ハン 3 / 感想・レビュー
hideo
【再読】時節柄図書館も長期閉館中、貸出期間も延長。以前借りた書籍を再読中。「人間に差別なし、地上に境界なし」という理念のもと、永遠のライバルであり友のジャムカをモンゴル統一を果たす。名前を覚えにくいが、堺屋さんの完成弁を交えた口語文で特徴を表す。指導者はぶれない理念を徹底させ、自分をもその理念に基づいて行動する。このことが強い組織を作る。但し、歴史は、此の後、維持していくことの難しさも証明している。
2010/09/10
ヨクト
トリオル・ハンやジャムカといった長年の好敵手を下し、ついに部族統一まで。漠北部族の戦の文化に驚かされることが多々あった。逃げることを恥とはせず、家財や家畜を置いて一目散に逃げること、攻める側も敵を最後まで追わずに逃げたら放っておき略奪を優先すること。だから、どの部族も負けても全滅いないまま、しぶとく生き残るのだ。ジャムカやテムジンは何度負けだろう。その文化をもチンギスは変える。そして、貨幣や言語といった今まで漠北には存在しなかったものを受け入れ、大帝国への礎を築き始める。チンギスによるグローバリズム。
2018/10/21
イエテイ
今までのチンギスハン小説でサラッと流していた漠北統一の戦い後半を詳細に描く。ケレイトのトオリルハンもナイマン族も、それぞれの部族に祭り上げられているから引くに引けずに戦ったり手を結んだり。チンギスハン軍の組織化についての解説が分かりやすい。
2021/12/19
Ryuji
★★★★☆第三巻読了。ケレイト族のトオリル・ハン、チンギスの父親の代からの同盟者であり自身もトオリルと組み戦っていたが、やがて最大の敵となってしまう。ジャムカとの対立もそうであるが、対立の原因を思想の違いという観点に力点を置いて描いているところが面白い(現代風に言えば改革派のチンギスと保守派のトオリル、ジャムカという構図)。この巻の終章『「族」から「国」へ』ジャムカの最後が何とも良かった。
2017/05/05
しぇるぱ
ブルカン山麓のキャト族の一氏族にしか過ぎないチンギス・カンが何度も対戦する難敵がある。子供のころは盟友だったジャムカ。カラトン(ウランバートル)のケレイト族のトオリル・ハン。西の果て、アルタイ山脈まで逃げた。トオリル・ハンと同盟して勝った。東の果て、興安嶺山脈の大壕を越えて金国の境界内で越冬したこともある。ジャムカ、トオリル・ハン連合に戦って勝った。逃走した敵がアルタイ山脈のナイマン族に逃げたので、追いかけて殲滅した。これで、興安嶺山脈からアルタイ山脈まで対抗する敵はいなくなった。
2012/07/07
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