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薄暮

薄暮

薄暮

作家
篠田節子
出版社
日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
発売日
2009-07-01
ISBN
9784532170936
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薄暮 / 感想・レビュー

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クリママ

富裕層向けの雑誌に載ったエッセイに取り上げられたことから、無名の地方画家の展覧会が開かれ画集が発行され、作品には高価な値がつくようになる。登場人物の誰も好きになれない。感情移入できない。が、いったいどういうことなのだろうと興味深く、人の心の奥底を探っていくように読み進める。画家とは、その作品とは、夫婦とは、等など、そうするしかないことかもしれないが、それぞれの身勝手さだけが浮かびあがり、すべてに答が見い出せないまま読了した。

2016/11/16

くみこ

名声とは無縁なまま忘れ去られるはずだった地方の画家に突然光が当たり、改めて明るみに出た人間模様。出版社の橘の視線で描かれます。絵に価値がつき始めた途端、生前の画家を支えて来た地元の名士達の間にも不協和音が生まれます。画家に尽くしていたはずの老妻の狂気、画家が籠った寺の、住職の妻の不気味さ。暗躍する画商など、読みどころは満載です。画家の絵を世に出したいと願った橘の純情が滑稽に思えるほど、なんと多くの秘密や欲が絡んでいることか。地味ながら余韻の残る作品でした。

2019/03/13

kaizen@名古屋de朝活読書会

地方に埋もれていた画家の家族と地域の人達の話。雑誌編集者が、雑誌に掲載した画家の絵の話題が出てくる随筆への反応で、画集の作成を企画する。 画家の配偶者が、画家を支え、地域の人と対立する。地域の人の持っていた作品が、偽物だと断じる。暗躍する画商と、お寺の話がきなくさい。 予想通り、画商の画策が表面化する。 個々の展開は想定外だ。 全体的には想定内だ。 推理小説としては中途半端かもしれない。 家族小説としては幸せな終わりを迎える。 篠田節子の小説家と常識人としての均衡の取り方は面目躍如かもしれない。

2013/04/09

tama

図書館本 無名で死んだ人とかその奥さんとか出てくると「明るいわけがない」けど、重苦しかったぞー。この人の「ロズウェル」と、部分的に設定が似通ってるが、「死んだ」人がいるといないでこうも変わるか。最後まで「疑い」を引きずって読み続けてしまった。

2013/08/15

nyanco

画家の妻・智子の歪んだ夫へ愛情の物語、と思っていたら、この作品はそれだけでは終わらなかった。一人の無名画家がクローズアップされたことにより、莫大な金が動き、多くの人の人生が変わっていく。無名画家が有名になったことにより、後天的に変わっていったと思っていたことが、実は…。今まで見えていたものは幻で、隠された真実が見え、幻がガラガラと崩れていく…。様々なブームの裏には、こんなこともいっぱいあるのでは…と考えると、ゾッとしてくる。ラストに驚愕!流石、篠田作品!

2009/07/26

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