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無花果の森

無花果の森

無花果の森

作家
小池真理子
出版社
日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
発売日
2011-06-01
ISBN
9784532171056
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無花果の森 / 感想・レビュー

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遥かなる想い

2012年芸術選奨文部科学大臣賞。映画監督である夫の暴力から逃れ、岐阜大崖の画家の家に住み込みで家政婦を続ける新谷泉。あえて世間との隔絶を求めるその心の闇を静逸に描く。自分の意思で世界から孤絶して生きようとする老画家の描写も秀逸で共感を呼ぶ。元週刊誌記者鉄治との再会そしてひそやかな逢瀬と愛。『恋』三部作で見られた激しさは影をひそめ、それでも普通には生きれない人間の業のようなものを描く筆致は健在でなぜか懐かしい。希望のようなものを自ら絶ち、ひそやかに生きようという潔さが各所に感じられる、そんな作品だった

2013/09/08

あつひめ

映画になったのは知らずに読みました。被害者である自分が逃げる必要はないのにと思いながら、この人、たくさんの思い出もすべて捨て去りたいのかもなぁ、新しい自分で歩きたいのかもなぁなんて思ったら応援したくなりました。でも、女の心の隙間はやはり男の愛が埋めるのかとちょっとすねちゃったけど。天坊&サクラの名コンビには酸いも甘いも体験し尽した人間としての感情が感じられて大好きになってしまった。ラストの展開では新しい人生の予感を感じられた。女の人生男次第とも言うけど、どこまでも諦めたくないって思ったのは私だけかなぁ。

2014/06/17

ゆみねこ

DV夫から逃げてきた女と、犯罪に巻き込まれた男が惹かれあう。ここ数カ月で妻が逃避行をすると言う作品を何作か読みましたが、私の中では小池さんのこの作品がベストでした。登場人物が少ないのですが、主人公の夫以外は皆魅力的でした。表紙の無花果が何とも良い味わいです。

2015/01/19

アーモンド

安定の筆力でわかりやすく、長編ながらスラスラ読んだ。華やかな映画監督でありながら、家庭ではDVの夫から逃れ失踪する主人公。無実の罪をきせられ追われる記者に逃亡先で出会い…。そんな2人に手をさしのべる、画家の八重子さんとゲイのサクラさんのキャラが魅力的でよかったな。

2016/03/13

風眠

ものすごく久しぶりに小池さんの作品を読んだ。若い頃は小池さんの書く物語に夢中になった。退廃的な香りがして、情熱的でないようなあるような、決しておおっぴらにはできないような。それが大人なんだと思っていた。いつのまにか私も大人というやつになっていて、世の中のあっけなさも、自分の苦しみもただそれだけのことで、結局自分の中だけで納得させていくしかないということも分かった。この物語のラストもあっけなくて、心情的には納得いかないけれども、きっと多分、現実もこんな風にあっけないものだと思う。

2012/08/14

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