古代学への招待
古代学への招待 / 感想・レビュー
茶幸才斎
気楽に読める入門書だろうとの想像は見事に外れた。失礼ながら筆者の権威を知らない。ために筆者の説の信憑性が判断できない。だから、邪馬台国の九州発祥大和東遷説や、垂仁帝の血統と金属製錬と地名の関係、等の記述に、素直に「おぉ!」と仰天すべきか、「ほんとかぁ?」と懐疑すべきか、大いに迷いながら読んだ。後半、日本書紀等の文献に依って語られる、女帝推古と摂政厩戸王の権力関係や、大仏建立を巡る仏僧良弁・百済王敬福・宇佐八幡神職団の策謀などは面白い。古代史には面白い歴史(伝奇?)小説の題材がふんだんに眠っている気がした。
2010/05/02
御光堂
1.邪馬台国と物部王国、2.金属と白鳥、3.山部の物語、4.古代巫女王の系譜、5.奈良朝の幻夢と悪夢、の五編からなる、古代史論集。民俗学者である著者の長年のテーマである金属民俗学や地名などを背景に語られる2が興味深かった。1や4はかなり大胆な仮説だと思うが、学界ではどうなのだろうか。しかし、このような全く学問的な本が、日経ビジネス人文庫というシリーズの一冊として出ているのが意外である。
2020/04/12
Kuniharu Masubuchi
第五章「奈良朝の幻夢と悪夢」は聖武天皇と東大寺大仏の塗金について触れているが、749年の陸奥国からの産金を伝えるだけで、不足の金の調達に関しては触れていないのが残念。
2013/02/17
Junko Yamamoto
ナカツスメラミコト ヒメヒコ制は残っていたよう。
2018/08/02
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