世界を創った男チンギス・ハン 下
世界を創った男チンギス・ハン 下 / 感想・レビュー
アイゼナハ@灯れ松明の火
下巻はモンゴル統一、可汗(大王)への就任から、金国侵掠、西遼併合、中央アジアはホラズム帝国の攻略を経て、享年66歳の生涯を終えるまで。後半駆け足になってしまったのは残念ですが、大帝国を築くまでの原理は既にモンゴル統一までの間に固まっていたという事なのかも知れませんね。晩年になっても着慣れた服を大切にしながら、世界を識り、学ぶことを楽しんだ風も偲ばれる。アレクサンドロスもそのようですが、支配欲というよりも知識欲が旺盛な方が大帝国の創始者には向いているのかも知れないなどと思ったりして。
2012/06/21
かいりゅ
モンゴル統一、そして世界征服。 世界情勢がチンギスを呼んでいたとしか思えない。 グローバル化、信教の自由、民族に拘らない能力での機会均等。単なる破壊者ではない。 文字もない、貨幣もないモンゴル族がここまで拡大できたのは、このような柔軟に取り入れるチンギスがいたからこそだと思う。少なくとも100年以上統治する時代を築くのだから。
2023/07/03
カズザク
北漠統一前後で、チンギス軍の動員力・行動範囲が大きく飛躍する。それでも、侵略する帝国・王国には、動員力では敵わない。しかしながら、昔ながらの寄せ集め集団vs指示・命令系統が統一された、一つの意志を持った少数精鋭軍団なので、チンギス軍が圧勝となる。家族を伴って、居住空間・食料も一緒に大遠征…しかも、遠征先で日常の生活を始めてしまう。侵略される側も大変…。これまでの様々な常識を覆して、史上最大の帝国を築き上げたチンギス。賛否両論がある中で、この時代に、これだけの偉業を成し遂げた事に軍配が上がるのではと思う。
2021/08/26
イトノコ
全3巻すべてチンギスハーンが主人公。なので、森村誠一の「地果て海尽きるまで」よりも合戦のシーンなど詳しく、その戦闘描写も楽しめる。また、著者が堺屋太一だからかわからないが、チンギスハーンの作ったモンゴル帝国のシステムに言及している部分が大きい(というか、多すぎてややくどい)。チンギスハーンというと戦争の天才みたいなイメージがあるが、むしろ軍隊の組織化や情報戦に強みがあったのかと驚き。
Mark X Japan
もはや部族間の戦闘ではなく、帝国として織田信長のように多方面軍事作戦を展開しています。様々な側近の適切な助言を受け入れ、情報と法治を重んじるのが印象に残ります。アメリカとヤラワチに共通する、『通貨は有利子の借り手理論』はあまり分からないので、金融についての勉強が必要だと思いました。著者のいうモンゴル帝国≒アメリカならば、この後のモンゴル帝国から、今後のアメリカが予想出来るのではないでしょうか。☆:4.0
2014/08/18
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