危機と人類(下)
危機と人類(下) / 感想・レビュー
びす男
日本は2度登場する。上巻は近代の成功、下巻は現在進行している危機についてだ■日本のジレンマは、他国が移民で緩和した問題について「移民に頼らず解決する方法をみつけられない」ことだ、という。資源が逼迫している日本は、人口が減った方がいいという指摘にも共感する■矛先は米国社会にも。なかでも「政治的妥協」の衰退に鳴らした警鐘は、昨年の大統領選後に見えた景色と重なった■危機対応は、「悪い選択肢の中から」の選択が求められる。そこに事実の直視、価値観などが絡む。著者が示した12指標を、さまざまな事例に当てはめてみたい。
2021/03/07
金吾
上巻に続きドイツとオーストラリアの過去の危機を分析した後に進行中の危機を分析しています。違和感はあるものの内容は分かりやすく、またアメリカの知識人が現在の日本をどのように評価し紹介しているのかの一端を読めるのは良かったです。
2024/10/11
nagoyan
優。戦後ドイツ、オーストラリアに次いで現在進行形の危機として、日本、米、世界が取り上げられる。興味をもつべきかのは、現在の日本、のはずなのだが、下巻の白眉は豪に関する記述だろう。なかなか、日本からの視線では気付かない英豪の微妙な関係や、東南アジアに対する豪の視線なども視野に入ってきて興味深かった。で、日本に関する教訓は146頁末尾の4行をどう読むかという点で180度その後の対応が異なりそうでもある。リアリストならどう読むか。たぶん、その二通りに読むべきなのだろう。
2020/12/17
はふ
本書では、これまでに国家が体験してきた危機を12の要因に照らし合わせて論じてきた。12の要因によってそれぞれの国家を考察していくと、各国家が独自の性格を持っていることが分かり面白い。 最近では、世界規模の危機として新型コロナウイルスがあり、この危機に対しても、12の要因の枠組みによって考察することに意義があった。 現在では、ワクチンの接種率が高まってきており、爆発的に蔓延した当初よりも事態は収束してきている。しかし、まだ危機は完全に回避できていない。コロナ後の世界に向けて対策も強化していくべきなのである。
2021/06/13
Mark X Japan
危機への対応は概ね頷けますが,日本とドイツの第二次世界大戦後の対応や地球温暖化・資源の枯渇については、前提条件への理解や解釈が違うのではないかと思います。そのため、対応にも違和感を感じました。☆:4.0
2021/05/25
感想・レビューをもっと見る