葉隠物語
葉隠物語 / 感想・レビュー
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
葉隠とは、江戸時代・佐賀鍋島藩の山本常朝の口述により、武士の心得をしたためた書物。主君を守るためなら己の命を捨てることも厭わない、その当時の武士としての生き様が、今から見ると新鮮である反面、なんとも痛ましくも感じられた。「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」。久しぶりに読む安部作品、淡々と静かに“武士道”というものに迫った、興味深い作品でした(*^^*)
2017/09/09
優希
『葉隠』に書かれた精神を主従を交えた短編で伝えています。名前こそしれど、内容は知らなかったので、学びの読書となりました。
2022/03/09
シュラフ
現代人にとって「葉隠」の精神はどう受け取られるのだろうか。戦後の自分本位の時代に生きる私にとっては強い拒絶反応をもってしまう。すべては主君のために・・・自分の生命まで投げ出す覚悟・・・あまりに強烈な他人本位の思想に私はついていけない。だが、興味深いことに読メのみなさんは好意的な感想が多い。自己本位が行き過ぎた現代だからこそ、ここまで強烈な他人本位の思想が逆に新鮮すぎるのだろうか・・・。安部龍太郎さんのこの小説、安部さんらしく淡泊すぎるところが「葉隠」の強烈すぎる思想を薄めていて違和感なく読むことができた。
2014/12/18
🐾ドライ🐾
【武士道といふは死ぬことと見つけたり】←武士としての生き方を示しているのであって、潔く死ぬことを善しとしているのではない。 佐賀鍋島藩主三代と家臣の話をまとめる過程で、武士道の心得として作られた『葉隠』 その『葉隠』成立に纏わる物語。短編形式で、各話ドラマチックというか、短いながら心に刺してくる。「小姓不携」で忠節を決意する話、悲劇を回避する方法があったのではと思う「一夜の蚊帳」「父子相剋」が良かった。
2022/02/11
世話役
本屋に行くたび気になったため、購入。葉隠というと岩波や三島のあれを頭に浮かべてしまうが、本書は原著の一節に依拠しつつ、佐賀鍋島藩三代に渡る物語をしっかりとエンターテイメントとして綴っている。文章は読みやすく、司馬遼太郎等旧来の作家よりもより現代人の感性にあった書き方がされていると思う。時代ものに興味はあるが、司馬遼太郎も古典化してきた昨今どれから入っていいかわからないという方、安部龍太郎はいかがでしょうか。
2014/08/25
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