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純粋機械化経済: 頭脳資本主義と日本の没落

純粋機械化経済: 頭脳資本主義と日本の没落

純粋機械化経済: 頭脳資本主義と日本の没落

作家
井上智洋
出版社
日経BPM(日本経済新聞出版本部)
発売日
2019-05-27
ISBN
9784532358181
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純粋機械化経済: 頭脳資本主義と日本の没落 / 感想・レビュー

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HMax

図書館から受け取ってすぐに返そうかと思ったが、踏みとどまって大正解。表紙の写真は昔の「コンピューター」が仕事をしている姿。第三次産業革命に乗り遅れた日本はGAFAの下請け状態で小数点一桁以下の成長率、GAFAのアメリカでさえ数%。教育に対する公的支出はOECD34カ国中最低レベル、論文数でインドにも抜かれ、人口が減る一方の日本が独自にソローの罠を脱することはほぼ不可能。純粋機械化経済に達するためには巨人の肩に乗るしかない。そのためには世界的なAI研究者を一人につき20億円くらいの報酬で5人ほど招聘する。

2020/07/09

あっきー

✴5 サピエンス全史の読者の次の1冊を目論んだ本で文中にも引用している、AI、脳、世界歴史、中国経済、ヒッピーなど今の関心事が全部入りで自分は大満足だ、この本ではサピエンス全史など他の本のいいとこを引用していて広く浅く関連付けているので自分の断片的な知識がいろいろ繋がり広がった、その中でも川北稔の成長しなければならないという強迫観念の成長パラノイアという考えが面白そうだ、「1984」を1984年に読んだ時はソ連がモデルと思ったものだが、今一番近いのはAI監視システム「スカイネット」の中国なのかもしれない

2019/07/28

izw

2016年出版「人工知能と経済の未来」以後、「ヘリコプターマネー」「AI時代の新・ベーシックインカム論」とAIと経済、ベーシックインカム論を展開してきた集大成のような気合の入った大著である。新石器時代の大分岐を生じさせた農耕革命を繁栄と軍拡の競合が起き人類最大の愚行だと主張する歴史観、ネオリベもアナーキズムに基づいていて、アナーキズムが現在支配的な思想だというイデオロギー観、を明快に展開する。AIが急速に進歩を遂げている状況を踏まえ、人間社会のあり方、経済のあり方を冷静に考察していて、非常に面白い。

2019/06/14

みのくま

汎用AIの登場による「純粋機械化経済」の紹介だけではなく、壮大な文明論的視座から論が立てられており「サピエンス全史」の読後感に近い印象を受けた。また興味深いポイントも多々あり、なかでも「工業化社会は優しい」という指摘は大変興味深かった。来るべき純粋機械化経済は、ほんの少し働く人間と大勢の働き口のない人間に分化する事が予想され、だからこそBIと変動BI (ヘリコプターマネー)が必要であるらしい。しかしそうするとやりがいの調達は果たして必要ないのだろうか。このような社会の到来は現代以上のディストピアな気がする

2021/05/01

Mc6ρ助

『日本をいまだに科学技術立国のように見ている日本人も多いし、文化や慣習が世界中から注目されていると錯覚している日本人も多い。日本は今まさに清朝末期の中国のように夜郎自大に陥っている。あるいは、落ち目であることに薄々気づいているが、だからこそ過去の繁栄にしがみつき、現実から目を背けているのかもしれない。それもまた清朝末期の社会状況を彷彿とさせる。(p349)』野党の名前を満足に覚えられないという行政府の長、国民にお似合いということかな。著者がトンデモ本と思われたがっているのではと考えてしまうのは穿ち過ぎ?

2019/07/22

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