相対化する知性 人工知能が世界の見方をどう変えるのか
相対化する知性 人工知能が世界の見方をどう変えるのか / 感想・レビュー
Kentaro
ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』[ハラリ、2016]には、「虚構を集団で信じる力」が人間社会を発展させたとあるが、二つのRNNという見方をすると、本来は知覚運動系RNNの従であったはずの記号系RNNが、知覚運動系RNNの軛を逃れ、知覚運動系RNNから半ば無関係に動くことができる変化が起きたといえるのかもしれない。かなり特殊な生態的地位(ニッチ)である。 さらに、記号系RNNだけが独立して働くようになったことで、目の前にない物事を想起する力が発達し、それが抽象度の高い思考を可能にしている。
2021/04/21
kaze
ディープラーニングとは何ぞやということが初めてわかった。この数年でAIが急激に進歩したと言われているのはそういうことだったのか。人工知能の進化とその研究によって、世界をどう捉えるかという哲学的な見方にも変化が起きる。著者たちは「強い同型論」というものを提唱している。『生物と無生物のあいだ』で読んだこととリンクしていて、おお!と感動してしまった。可謬性の哲学が人口に膾炙するように布教してくれる人が必要だと思った。
2021/03/10
海星梨
KU。難しいというのと、伝える気がない自己満は違う。一部はまぁ理解できるけど、二部三部、とくに二部は駄文。いろんな理論を引いてるけど、その理解がズレてるので何を言いたいかIミリもわからん。わたしは心理学専攻だったから、システム1とシステム2の下りがおかしい(両システムの対立は、システム1が差別にもつながるバイアスを含むため、システム2で判断を覆す必要がある)と気付いて、「ん? もしかしてほぼほぼ正しい理解せずにダラダラ書いてるだけか?」となった。結構ひどい。
2023/05/27
Kyo-to-read
第一部はAI技術について、数式やコードを書かずに説明した本の中ではこれ以上ないくらい詳細な解説だと思う。第二部以降は、思考実験的な色彩が強まるが、新しい知性の誕生に伴う人間の認知構造変化、認知構造の解析と応用可能性は興味深い。その他にもディープラーニングの「深い」構造と多数要素が意思決定に影響させる現実世界をリンクさせて考える点など思考実験を通じたブレイクスルーの可能性を感じさせる。個人的ハイライトは知覚運動と記号系の相互作用と解釈した意味理解のメカニズムと、4章にある嗜好理解のモデル化。
2021/05/10
ぼの
すーごい面白かった!!自分が感じてきたことはあながち間違ってなかったんだなと。「可謬性」という言葉を初めて知ったけど、「99.9%は仮説」ってやつだよね。けっこう当然だと思ってたけど、これからの時代もっと注目されていく考え方なのかも。
2021/04/20
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