ビブリオパイカ
ビブリオパイカ / 感想・レビュー
ころこ
15年に出版された、97年のデビューからそれまでの書評集。同じ著者の本が多いという特徴があり、書評もいくつかのパターンに集約される。新聞書評は軽めに書き、その本の最後に収録される解説は水準が高く、理解することさえ容易でない文章がある。最も難しかったのは医師の知識を前提にしているフーコー『臨床医学の誕生』だ。これだけに留まらず、ラカン派精神分析の用語が頻出するのは、意外にも柄谷行人『世界史の構造』『哲学の起源』だ。ボロメオの環を使い、独特の読解をしている。『フロイト全集』『精神分析入門』は内容ではなく、ちょ
2023/07/02
あび
精神科医、斎藤環氏の書評群。これだけ膨大に読んでいるのに、全然読まない人間で申し訳ないだなんて謙虚で良いですね。
2017/04/11
えすあーる
なんだこりゃ(^^) 書評を集めた600ページ超。索引を見ながら、自分も読んだ本のから拾い読み。結局全部読んでしまった。近い業界にいるし、多分趣味が近いのかも。
2016/02/20
田中峰和
大した読書家ではないと謙遜する著者だが、受けた依頼を拒否しないとする書評の量は膨大だ。ビブリオパイカを訳せば「書物異食症」のこと。異食症とは栄養価の無いものを口にしたくなる精神症状と解説する著者。精神科医によるネーミングらしい。依頼を受けての書評だけに、基本的には肯定的評価につとめるそうだが、これを歓待型批評と呼ぶらしい。本という他者を受容し、肯定した結果、自分の中のものが少しだけ変化する批評スタイルのことだ。自分が読んだ本の書評を見つけると比較したくなるが、600頁を超える本、さすがにすべては読めない。
2015/08/24
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