隣りの女
隣りの女 / 感想・レビュー
あたびー
似たような話なのである。昭和60年に出たこの本の巻末、作家は「この4年間に描いたマンガはここに収めた6篇だけ」と言っている。全て恐らく作家の分身である売れない漫画家を主人公に、彼を取り巻くやはり懐具合の良くない人々の生活が描かれている。陰気で、物悲しく、果てしなく救われない。なのに郷愁を感じてしまうのは、私がやっぱり昭和の人間だからなのだろう。令和?それ何?なのである。
2019/07/30
アズル
初期短編集を読んでいたら、急に最近(?)の作品を読みたくなりました。あとがきで国民年金が欲しいと書いてありましたが、今はもらえているんでしょうか。つげ義春さんには、一度でいいから、生でお会いしたい方です。
2014/10/09
アズル
80年代に描かれた作品集。地味だけど、面白い。もっと描いてほしいと切実に思う。
2014/01/21
龍國竣/リュウゴク
私小説をそのまま漫画にしたような、静けさのある、湿り気のある作品に仕上がっている。何れも貧乏な人間が主人公。漫画家志望の若者、甲斐性のない中年。周りには芸術家志向の変わり者が集まる。その内容は時に残酷で、うなだれる、という表現がよく似合っている。
2012/05/16
ますりん
こちらも「無能の人」と併せて再読。1980年代前半、かなり寡作だった時代(これら作品群を描いていた時期がちょうど「無能の人」に描かれていたあたりの時期っぽい)の6編をまとめたもの。基本的に湿度の高い薄暗い話が多め。著者あとがきもなかなか侘しいけれど、「散歩の日々」や「ある無名作家」、「近所の景色」などはいま読んでも名作だと思う。本気でお金がなかったころ、ポケットに300円、はいつも意識してたなあ。
2023/05/07
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