KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

村上春樹を音楽で読み解く

村上春樹を音楽で読み解く

村上春樹を音楽で読み解く

作家
栗原裕一郎
大谷能生
鈴木淳史
大和田俊之
藤井勉
出版社
日本文芸社
発売日
2010-09-29
ISBN
9784537257892
amazonで購入する

村上春樹を音楽で読み解く / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

zirou1984

巻末の大谷能生と鈴木淳史、そして栗原裕一郎による鼎談が抜群に面白い。大谷氏の独特な視点による作品別の評価がかなり極端なことになっており、「薀蓄と睾丸を撫でるのが合わせ技でくると村上春樹の小説だなって」という指摘はまぁその通りだよねって思わず頷いてしまうなって。章毎ではやはり前者2名の担当箇所が秀でており、登場するジャズやクラシックについては単なる記号としてでなく、物語における必然性を持った選曲であることを導き出している。春樹にとってジャズは現実との接点であり、クラシックは異界への入り口であった。

2016/08/29

fishdeleuze

村上春樹はジャズ喫茶のマスターをやっていたくらいだし、小澤征爾との対談を読んでもわかるとおり、非常にディープな音楽ファンだ。本書は、ジャズ、クラシック、ロック、ポップ等の音楽が、村上作品においてどのような意味合いで使われているかを論じたもの。シューベルトは異界参入の音楽であるとか、ディランやブライアン・ウィルソンは過去への強烈な追憶であるなど、おもしろい主張もあるが、とにかく一番面白かったのは大谷能生。『海辺のカフカ』のdisりかたには笑った。これだけ読んでもおもしろいくらい。あとエロ話が多くて笑った。

2017/09/09

おーしつ

ジャズ→現実との接点(座標)、個人的儀式、クラシック→異界への入り口、ポップス→代替可能性(喪失感)、ロック→過去への扉(LOCK)、80年代以降の音楽→僕/私に価値観をもたらさないもの。 ・・・とジャンル別に個別の作品と音楽を検証しながら村上作品での音楽の意味が語られている。音楽に詳しくない(特にジャズは全く)者にとっては有り難い一冊。でも鼎談のぶっちゃけぶりが一番面白い。 音楽に関する単行本未収録資料などの付録も充実。

2010/11/30

さえきかずひこ

五人の文筆家が音楽を軸にして村上作品を読む試み。すこぶる画期的な着眼点であり、この方法論で文藝評論が変わっていったら面白いと考えもするのだが、本書が春樹の有名性に頼って商品として成立している点は否めない。だから、一般化するのはなかなか難しいだろう。評論五本+ディスクガイド、鼎談、監修の栗原氏の丁寧さが光る付録つきと盛り沢山。このような書籍が刊行されたことを十全に寿ぎたいのだが、読者のひとりとしては全体的に誤字が目立つ点は気になると言い添えざるを得ない。

2010/10/20

72ki

村上春樹の小説はほとんど読んだことがなく、またあまり興味もないのに、エッセイ、特に音楽関係のものはとても気に入っている私に向けて書かれたかのような一冊。特別鼎談での大谷能生が最高でした!

2018/01/16

感想・レビューをもっと見る