スモ-ルト-ク
スモ-ルト-ク / 感想・レビュー
めしいらず
1話ごとに違う車が登場する連作短篇と、著者の営業マン時代の車にまつわるエッセイ。主人公に突然会おうと連絡してきた元カレ。心を開かぬよう、焼け棒杭に火が付かぬよう一定の距離を保ったまま接するが、少しずつ距離感は失われ、彼女の時間は巻き戻されてゆく。その心地よさに束の間、心を開いた瞬間、訪れる破局。絲山作品の水準の高さからすると、少々食い足りなさが残る。それにしても、著者の車を描写する語彙の豊富さがスゴい。巻末に自動車評論家の徳大寺氏との対談が収録されているが、蛇足である。
2013/01/26
ブルームーン
「イッツオンリートーク」と繋がってるような繋がってないような・・・?15年前の元彼が音楽プロデューサーとなって成功し、外車をとっかえひっかえしながら主人公に会いにやってくる。どちらかと言えば車メインな話なので、車好きな人が読んだらもっと楽しめたのかな?私としてはちょっとイマイチでした・・・。
2014/10/07
みさどん
車好きの筆者が、外車を軸に書いた物語。女性でも車好きな人はこだわるのだなあと感心した。私は違う色の車をついつい選んでしまう。そして、せっかくなら乗りたいものにって思うと、車はラグジュアリー。地震を体験し、お金は貯めておかなくちゃと思う部分と、お金は生きているうちに使わなくちゃという相反する思いが浮かんでいる今。ミニクーパーに長く乗っているけれど、5ドアのミニに思い切って替えるか⁉
2016/05/03
がいむ
「昔の男はオレンジ色のTVRタスカンに乗って現れた。」こんなスパンとした出だしが決まるの絲山さんならでは!北方謙三ハードボイルド女性版か?!車中心のストーリーだしね。でもクールなようでいていつも通りずるずるいきそうな予感(笑)外国産車にそんなにくわしくはないけどキャラクターがある感じはわかるなあ。横書きが新鮮。合間のエッセイもいいです。さっと読み流せるけど絲山ファンには満足の一冊。
2012/03/16
ケンタ
恋愛物語、というよりも高級外車談議。絲山さんが車好きであることが良く分かります。自分は車好きでもなく運転下手なので、あまり描写が響かなかったのですが、車好きな人には刺さるのかな。連作を通して、著者の営業職時の経歴に触れられ興味深く読みました。
2021/07/17
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