否定の哲学 (イデー選書)
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否定の哲学 (イデー選書) / 感想・レビュー
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数学では否定は差異化だが、差異化されたものが観念または実在化する場合2項の区別となり、そこに第3項が生じる場合価値と権力が関わる排除へと変わる。科学史の問題を検討する著者は、実在をその探究の究極に位置付け、自らを科学的/非科学的カテゴリーとして区別する演繹に依拠する科学が、認識論的に見ればその振る舞いは現象と精神の複雑さの只中にあって、その選り分けの諸段階を経て成り立つと捉えた。科学を技術装置の進化と科学者集団の実験と経験の試行錯誤で構成される領域と見なす著者は、本書で科学的認識を「開かれた哲学」と呼ぶ。
2024/11/01
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