五感で味わうフランス文学
五感で味わうフランス文学 / 感想・レビュー
帽子を編みます
このピンクのストライプのかわいい装丁でかわいいお話が載っているのかなと期待したのですが、近現代の作品の数々、ちょっとクセ強めな選書です。不真面目な感想としてはジュール・ロマン『プシケ』、訳者・青柳瑞穂氏の訳業について孫のいづみこ氏の「フランス文学者としては語学力に弱いところがあった」に失笑を禁じ得ずニヤニヤが止まりませんでした。かつて九万部も売れた訳書だそうですが、大半の読者は「大胆な官能描写」「エクスタシー」の文字にひかれて手にしたのではと更にニヤニヤが止まりませんでした。読みたいのはコレット『シェリ』
2024/10/18
燃えつきた棒
外文読者養成ギブスとして使用した。 野崎先生が取り上げている作品の中では、アラン=フルニエ「グラン・モーヌ」、「グールモン詩集」、クンデラ「生は彼方に」、ボーヴォワール「おだやかな死」、ネミロフスキー「フランス組曲」に心惹かれた。 特に、「フランス組曲」は、最終章の「究極の一冊」で紹介されていた。 絶対に読むべしということか。
2018/01/18
の
味覚や嗅覚、聴覚等を駆使した近現代フランス文学21作品が紹介される。フランス人は他国民より五感を重視していると聞きますが、こうした視点から読み解いていくと成程と思わず納得してしまいます。そう言えば他の国の小説に比べると「食べ物」や「音楽」がキーワードになっている小説が多い気も。何にしても素晴らしいのは著者の語り口。難解で独特な感性主体のフランス文学を、著者の思い入れや主観を交えて懇切丁寧に説明し、とっつきにくいフランス文学を身近なものに変えている。恐るべし。
2011/01/29
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