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ミラノ霧の風景

ミラノ霧の風景

ミラノ霧の風景

作家
須賀敦子
出版社
白水社
発売日
1990-12-01
ISBN
9784560041796
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ミラノ霧の風景 / 感想・レビュー

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Gotoran

イタリアで暮らした13年間、霧に霞むかすかな記憶の断片を手繰り寄せ、かの地での人・町・文学との触合いを綴った追想記(12編のエッセイ)。著者の地に足の着いた体験に根差した、生き生きとして上品で美しい文章に魅了された。(詩人サバが登場する)“きらめく海のトリエステ”、(若い時に数回観た映画『鉄道員』が登場する)“鉄道員の家”が特に印象に残った。今後も随時、須賀著作を追ってゆきたい。今は、本書にも登場している須賀訳『インド夜想曲』(タブッキ)を読んでいるところ。

2014/09/11

Kajitt22

端正で少し内省的な美しい日本語を読んでいると、かかとの低いパンプスで、背筋を伸ばして坂を上ってゆく、須賀敦子さんの後ろ姿が見えるようだ。この最初のエッセイを書いて、やっと夫ペッピーノの死と折り合いをつけられたのだろうか・・・・。『インド夜想曲』を読んで思わず再読してしまった。。

2015/03/21

くみ

肌寒くなってきた季節に須賀さんの作品はよく合うと思う。 一見客観的で冷静なような作風も、読む回数が増すごとに須賀さんの秘めた情熱が伝わってくるようになるのが不思議。霧が出る季節になるとだんなさんの好物のポレンタをつくったこと、コルシア書店の仲間のガッディのこと、、 特にトリエステを訪れて「こんなの違う、だんなさんと話してたトリエステが本物!!」と夜1人煩悶する様子が可愛い。だんなさんは早くに亡くなられで2人でくることはできなかったけど、須賀さんは一生涯だんなさんへの思いがあり続けたんだなと思う。

2017/10/21

algon

著者3冊目でやっと代表作が読めた。堅固な信仰の背景があるからイタリアという異郷の地でも基に肯定的な気概があって摂取の心持が伝わってくる。フランス留学から目標をイタリアに転じそこでイタリア人と結婚するが夫は間もなく病死。この本はその期間を追想し霧のミラノを中心に回顧したエッセイ。抑制された知性と品格が支える文は底知れぬ悲しみを沈ませてはいるがその故にか美しくまた儚さも感じた。少々ストーリー的な「マリアボットーニ…」「鉄道員の家」も面白く読んだ。後書きのサバの詩には胸にズシンときて詩を知らぬ自分でも驚いたが。

2019/08/21

よみ

全編を通して、喪失の痛みと色濃い死の気配が、さながら霧のように立ち込めるエッセイ。

2019/07/11

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