外骨という人がいた: 学術小説
外骨という人がいた: 学術小説 / 感想・レビュー
のりたま
80年代に国語学の演習で明治期の滑稽演説が取り上げられたので、周辺のものを片っ端から読んでいて滑稽新聞を知ったが、小説仕立ての本書は読んでいなかった。文庫にならないかと待っているのだが、外骨の著述はしかたないにしても、女性やホームレスに対する描写など、地の文に現在出版するにはかなり具合の悪い点があって難しいと思った(赤瀬川原平の責任というより当時の雰囲気)。そういう意味ではバブルの空気を伝える書でもある。滑稽新聞を面白がるような豊かさは、バブルでないと有り得なかっただろう。あの時期に顕彰されてよかった。
2021/04/06
salty orange
骸骨さん凄いです。赤瀬川さんの突っ込みどこもツボで素敵。オモロと風刺の絶妙な掛け合い。やわらかいネタから政治風刺まで。ほんと面白い人。展覧会やって欲しい!
2013/11/28
NN
冒頭の方で出てくる、赤瀬川原平と松田哲夫が宮武外骨を発見するに至ったエピソードは、その興奮と面白がりが伝わってきて非常にワクワクした。当時は大部数を刷って売れていたはずの存在がその60〜70年後にはほとんど忘れられた人/雑誌になっていることの不思議さ、そして赤瀬川原平や松田哲夫、吉野孝雄らによって再び外骨が世に知られる存在となることの不思議さも感じた。この本と併せて復刻版の滑稽新聞も買ったが、そちらを見る際のガイドとしてもいい。わかりやすく外骨という人の表現の面白さを伝えていたと思う。
2020/10/12
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